過去のレースから得られた馬券のヒント
- 上がり最速馬が良績を残す傾向にあり、決め脚重視のスタンスが
- キズナ産駒の良績が目に留まる。
2023年 アルテミスステークス レース振り返り
戦前のレース論点
- 母馬に2016年 オークス 2着のチェッキーノという血統背景を持ち、新潟の未勝利戦を好内容で勝ち上がったチェルヴィニアと兄姉に2019年朝日杯フューチュリティステークス【GⅠ】勝ち馬サリオス、2020年府中牝馬ステークス【GⅢ】のいるサフィラの良血馬対決。
- デビュー戦を鮮やかに勝ち上がった若駒の中に、良血2頭に割って入る馬がいるのか否か。
1-3着馬の戦前・戦後の情報・評価・コメント
1着馬:チェルヴィニア(1番人気)
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戦前情報・評価・コメント
- 新馬戦は次走がサウジアラビアRC【GⅢ】 2着のボンドガールが相手で惜敗。続く2戦目は順当な勝利。オークス2着のチェッキーノの仔で将来性十分。重賞でも。
- 入厩当初と比べてこの馬らしいフットワークが戻りつつある。かけた負荷に対して、求めるリアクションが返ってくる。競馬を重ねて、少しずつ気持ちの余裕がなくなってきているが、今ならマイルでも対応できそう。
- 1週前追い切りでは長めから意欲的に追い切られたが、柔軟で素晴らしいバネ。最後まで余力十分で、体力がついてきた印象。前走以上のパフォーマンスを期待できる。
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戦後情報・評価・コメント
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2人引きも落ち着き十分。レースは出遅れたが、ジワっとスピードに乗せて先団直後まで追い上げる。道中は馬群の中で折り合いに専念。直線は外から被されたが、これを弾くくらいの勢いで加速して抜け出した。初戦、2戦目とは違ったレースぶりで完勝。距離が伸びても良さそう。
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2着馬:サフィラ(2番人気)
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戦前情報・評価・コメント
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新馬戦は内で包まれて脚を余した形だが、2戦目を快勝。まだ、速い上りを使えていないが、将来性豊かな血統。
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前走から間隔は詰まるがダメージは無い。1週前追い切りは、朝一番CWで単走。柔軟な身のこなしで素軽い動き。程よく気合も乗っているし、集中力も十分。馬体にまとまりもある。
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長距離輸送も経験済み。いつもよりテンションが高いので、当日、落ち着きがあれば。
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戦後情報・評価・コメント
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パドックでは落ち着いた姿で周回。
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枠は外枠(7枠)で良かった。出足も速く、外枠の分だけ少し下げて前に壁を作りながらレースを進めた。4角でジワっと外を追い上げて、直線は外からチェルヴィニアに被せるような形。結果的には勢いの違いで抜け出されてしまったが、この馬もしっかり伸びて2着を確保。馬体など成長の余地が大きそう。
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3着馬:スティールブルー(4番人気)
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戦前情報・評価・コメント
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新馬戦はスタートを決めて道中は前を見ながらスムーズに進められた。直線中ほどで手前を左に戻すと、鋭くギアチェンジ。ラスト2ハロン10秒9-11秒3と大きく減速せず、先頭に立ってからもストライドが伸びていた。最終的に上り3ハロンを32秒9(新潟)で突き抜けた勝ちっぷりの良さが光る。
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1週前追い切りはリズム良く走っていた。先行したとはいえ、調教駆けする古馬相手に優勢。馬体が大きく増えた印象は無いが、小柄で仕上がりが早いタイプ。当週の追い切りできっちり仕上がってきそう。
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気性の強さが長所ではあるものの、気負いがちな面があるので、ひと息入れた臨戦(26以来)はプラス。今回は直線に坂があるが、レース慣れも見込める2戦目。ペースの違いに戸惑わなければパフォーマンスを上げてきそうなイメージ。
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戦後情報・評価・コメント
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一度使われて気持ちが入ったか、今回はパドックでは少しチャカついていた。それでもレースでは先団外でスムーズに折り合った。
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2戦目でもテンションを保っていたし、発馬も上手に切ってくれたことで手綱を抱えながら進めることができた。道中は3番手の外で前に壁を作れない形(前走はうまく壁を作れた)となったが、最後はいい脚を使っていた。
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数字以上に強い内容も、上位2頭には力負け。
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2022年 アルテミスステークス レース振り返り
戦前のレース論点
- 新馬戦で上がり3ハロン31秒4という1986年以降に記録されたJRAレコードと同等の走りを見せたリバティアイランドの1強ムード。馬券的には相手探しの様相。
1-3着馬の戦前・戦後の情報・評価・コメント
1着馬 ラヴェル(3番人気)
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戦前情報・評価・コメント
- デビュー前の追い切りでは古馬を圧倒し、新馬戦は1番人気の支持。小回りの小倉競馬場で、発馬で後手に回って後方からの競馬になってしまったが、3コーナーで軽く促して進出を開始。直線では勢いそのままに力強い伸びを見せると、残り200mで先頭に立ち抜け出した。ラスト2ハロンの時計は11秒7-11秒3の加速ラップ。余力残しの1馬身差でゴール。当レース3着のアリスヴェリテがサウジアラビアRCで3着入線したことからも、レースレベルの高い新馬戦だったと言える。
- 1週前追い切りは3頭併せの外。1ハロン手前で左手前に替えてからゴーサイン。厩舎の看板馬パンサラッサには僅か及ばなかったが、内に併せた新馬には格好をつけての先着を果たす。スッと反応はしなかったが、全体の時計は上々。体はスカッとしており、この一追いで上向いてくれば。
- スタミナとレースセンスの良さを示し、初戦からいい内容で勝ち上がれたが、使ったことで前進気勢が強くなった。普段は落ち着きがあるので、上手くコントロールがつくことが上位進出の条件となると思われる。
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戦後情報・評価・コメント
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新馬戦同様に出遅れてしまい、後方2番手でじっくりと追走。4コーナー手前からジワっと差を詰めて、直線は外目へ。追い出しを我慢する余裕があり、坂を上がってから仕掛けて一気に抜け出す。最後は猛追してきたリバティアイランドも振り切った。大味な競馬ながら、スケールが大きい。
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バランスの良い馬体。能力があるのは分かっていたので、とにかく折り合いがスムーズであれば勝てると思って臨んだ。直線に向いた時に少し仕掛けたが、その時点では勝てると確信できるくらいだった。抜け出してからも後続の追撃を凌げるだろうと感じさせる脚色だった。
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とにかく身体能力が高く、バネがあるのが持ち味で、少しゲートが課題なだけで、あとは問題ない。
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2着馬:リバティアイランド(1番人気)
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戦前情報・評価・コメント
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新馬戦は馬場が軽い新潟の夏場開幕週&絶妙なスローペースとはいえ、上り3ハロン10秒台が続くラップ。にもかかわらず、自身は上り3ハロン31秒4の脚力を披露し、先行2頭をあっさり交わし3馬身差でフィニッシュ。2,3着馬が次走勝ち上がっていることからも能力の高さが抜きに出ていることが窺える。
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1週前追い切りは、CWで併せ馬。道中は1秒追走する形から内へ併せる。手応えは優勢で機敏なフットワークを見せていた。
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食いが安定しない等、体力面での弱さに成長の余地を残す。新馬戦でゲートの音に驚いた感じで出負けしたが、それも2戦目で慣れが見込める。東京への長距離輸送もあり、当日のテンションがポイントとなりそう。
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戦後情報・評価・コメント
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落ち着いた姿で、馬体もきっちり仕上がっていた。
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返し馬で入れ込んでおり、前半から行きたがるそぶりを見せたので折り合いに専念。馬群で我慢させていたのが裏目に出て終始包まれ、進路の無い競馬になってしまった。残り200m時点で大外に持ち出して猛然と追い込んだが2着まで。完全に脚を余した。
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3着馬:アリスヴェリテ(6番人気)
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戦前情報・評価・コメント
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前走の野路菊ステークス(芝2000m)では、ファントムシーフに2馬身差の2着だが、後続には6馬身差をつけた。その前走時に(栗東)坂路50秒8の好時計をマークしているように、競走能力は高い。東京ならマイルにも対応可能だろう。
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前走は勝ったファントムシーフも強かったが、アリスヴェリテ自身は返し馬からコントロールが利いていないにもかかわらず、最後までしっかり脚を使っていた。もともと完成度は高い馬で、レース後も落ち着いているし、中間は我慢させる調教も行っている。距離短縮はいいし、牝馬同士なら頑張れる。
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1週前追い切りは、サラっと時計を出した程度だが、確かな足どりで登坂できた。大幅な良化はどうかだが、デキは安定。当週できっちり仕上がりそう。
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戦後情報・評価・コメント
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ハナを主張する馬が不在で、3コーナー手前から逃げる形になった。力みもなく、マイペースの逃げに持ち込んだ。直線に入ると二の足を使って、ラストまで脚色衰えずしぶとく粘った。二の上位2頭があまりにも強すぎた。
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