過去のレースから考える馬券のヒント
- 基本的には差しが決まりやすいレース。瞬時の加速力に加え、速い脚を持続的に使えるかがポイント。
- 長い直線を意識してか前半のペースはあまり上がらない。基本的にはスローで流れる傾向にあり、最後の直線では一気に加速。非常に速いラップ（10秒台-11秒台前半）が2ハロン続き、ラストで減速するのが、過去の傾向。
- メリハリの大きい展開への対応が必要なため、前傾ラップになりやすい1200mを勝ち上がった馬には対応が難しい。
- 高速馬場にもかかわらず、道中はタメを利かせて、最後に長く速い脚を伸ばすレースになる。欧州血統を持つ馬に、このような展開で力を発揮する傾向がある。
2023年 新潟2歳ステークス 振り返り
戦前のレース論点
- クリーンエアの初戦の勝ちっぷりの良さと走破時計の良さ（前日の牝馬限定戦を1秒上回っていた）が高評価。
- 東京1400m新馬勝ちしたアスコリピチェーノも評価が高かった。新馬戦で見せた決め手、血統背景（半兄アスコルターレはもみじS、マーガレットS勝ち馬）が相まって評価を高めていた。
1-3着馬の戦前・戦後の評価・コメントなど
1着馬：アスコリピチェーノ
- 戦前情報・評価・コメント
- 東京1400mで新馬勝ち。スローの流れで4角11番手に位置。追い込んで2馬身半差をつけた決め手が光っていた。
- 新潟2歳ステークスは距離延長だが、馬自体は反応が良く、操縦性も高い。決め手が鋭く、新潟外回りが向くタイプ。
- 1週前追い切りではしっかり負荷をかけて、ゴール前で併走した2頭を内からしぶとくかわす。迫力十分。
- 体は少し増え、暑さも問題ない。レースを使ったことによる気持ちの高ぶりもなく、メンタル面で確実に成長している。
- 戦後情報・評価・コメント
- 落ち着き十分。見栄えする好馬体。
- スタートはひと息も、二の足がついて好位のやや後ろに押し上げることができた。あとは折り合いに専念し、そのまま直線へ入ると、手応え十分に長くいい脚を使って豪快に差し切った。
- 道中外を回ったロスを考えれば、着差以上の完勝。
2着馬：ショウナンマヌエラ
- 戦前情報・評価・コメント
- 前走の新馬戦（中京 芝1600m）は大変良いスタート。道中はリラックスしていたし、好きな右手前で走っていたが、真面目に走ってはいた。3着シカゴスティングが未勝利～フェニックス賞を連勝しているので、メンバーに恵まれた勝利だったわけではない。
- 重い馬場の分もあってか、終いが少し頼りなかったものの、初戦のデキはキープ。
- まだ体は未完成だが、使った後はパワーアップしていて、力強く動けている。体調は上向いているので、後は他馬との力関係。
- 戦後情報・評価・コメント
- 好スタートから二の足も速く、前走同様に後続を引き連れて、軽快に逃げる。
- 4コーナーからペースを上げ、直線は外へ進路変更。見事な二枚腰を駆使し、手応え十分に押し切るかに見えたが、勝ち馬にあの足を使われては致し方なし。
- 好位勢を振り切って2着確保。良馬場で大幅なパフォーマンスアップ。
3着馬：クリーンエア
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戦前情報・評価・コメント
- 調教とは違って実戦で良さが出た。新馬戦勝ち時計（新潟 芝1600m 1:35.7）は優秀な部類。ゴール前の伸び脚は目を引いた。先行力に加えて決め手も相当な威力。
- 初めての実戦でも、レース前半は好位インの狭いところから臆することなく運べた。馬群の中でもスムーズ。直線で少し前が壁になるシーンがあったものの、最後に外へ出すと鋭い脚を使って差し切った。俊敏な反応と加速力が光った1戦だった。
- 新馬戦ではいろいろな経験ができた。素軽いので新潟の軽い馬場も合っていた。
- 馬に反動はなく、順調に来ている。使った後も落ち着いている、中2週なので週末にサラっとやって当週に備えたい。
- 戦後情報・評価・コメント
- 体が締まって好気配。
- 枠なりに流れに任せて前目の位置へ。バックストレッチで他馬の後ろにつけ、脚を溜める。4コーナー ～ 直線では勝ち馬を斜め前に置き、残り2ハロンで満を持して外へ。追い出して右に張り、少し流れる場面があったが、外から勝ち馬に来られ、直線も前が壁で外に持ち出せず。追い出しを待たされた分、ラストには伸びてきたが、最後は脚色が一緒になった。
- 直線で伸びて追い上げるも3着まで。最後はキレ負け。
人気裏切り馬の戦前・戦後の評価・コメントなど
２番人気：ルージュスタニング（新潟2歳ステークス 9着）
- 戦前情報・評価・コメント
- 中京1600mで新馬勝ち。好スタートを決めて3番手追走。直線では鋭く伸びて残り200m付近で先頭に立ち、メンバー最速タイの上り3ハロンを計時して押し切った。時計は平凡でも道中はしっかり折り合い、追い出してからもしっかり反応していた。落ち着いて臨めたし、レースセンスを感じる内容だった。デビュー戦としては満点だった。
- 1週前追い切りは3頭併せ。追われると機敏に反応して、上々の伸びを見せて先着を果たす。バネのあるしなやかな走りだった。
- 夏の暑さにへこたれることもなく、牝馬にしては体があって、減っていない。初めての新潟への輸送も大丈夫だろう。
- ダートの活躍馬を輩出してきたInto Mischiefの産駒だが、軽い走りをする。
- 左回り1600mは経験済み。直線が長いのもいい。時計が速くなりそうだが、ラスト3ハロンの加速ラップからも性能は確か。十分にやれる。
- 戦後情報・評価・コメント
- 好馬体、好気配。
- 駐立ひと息、スタートで3番と接触し、バランスを崩す。リズムを整え追走も、4コーナーで窮屈になる。直線では前が壁、更に追い出しにかかった後も、他馬に前をカットされて手綱を抑える場面。再三の不利が重なり競馬に参加できず。
3番人気：エンヤラヴフェイス（新潟2歳ステークス 7着）
- 戦前情報・評価・コメント
- 新馬戦（中京芝1600m）は行儀よくとてもいい内容のレースだった。早めにぺースアップする流れを2番手で折り合って追走。勝負どころの反応は鈍く見えたが、エンジンがかかるとレース最速の上り34秒3の脚力で突き抜け、2着と5馬身差で勝利。その走破時計は未勝利戦も含め、開催最速。
- 1週前追い切りは新馬戦前ほど動けなかったが、古馬2勝クラスに馬なりで先着。時計は目立つほどではないが、素軽い脚捌きが目を引いた。手応え十分で気合も乗っている。好気配。
- 全兄のカジュフェイスが2歳時にもみじS勝ち。その兄より走りは柔らかく、距離の融通性はある。折り合いも全く心配なし。新潟は初経験になるが、左回りは新馬戦で経験済み。
- 戦後情報・評価・コメント
- スタートで4番と接触するも、バランスを崩さず好位を確保。先行態勢を取ったまま進むかと思われたが、外からどんどん来られて、位置取りを下げる。その後は折り合いに専念して直線勝負。
- 4コーナーでは後方から2番手を追走。直線では初戦のような脚が使えず、ジワジワ差を詰めるのが精いっぱい。
2022年 新潟2歳ステークス 振り返り
戦前のレース論点
- 人気の中心となる馬が不在のため、前走内容及び血統背景からアイスグリーン、シーウィザードが有力視される。
1-3着馬の戦前・戦後の評価・コメントなど
1着馬：キタウイング
- 戦前情報・評価・コメント
- デビュー戦の1200mは忙しく、マイルでゆっくり運べる方が良い。未勝利戦1着のレースは大外枠も良かったし、しっかりと流れに乗れた。勝負所での手応えも良かった。
- 叩いて出来が上がってきた。まだ緩さがあるので、これから良くなる余地がある。
- 戦後情報・評価・コメント
- 連闘だったが疲れも感じず好気配。ゲートで待たされて少し落ち着いてしまったため、スタートはゆっくり出た。ただし、後ろからの競馬は想定通り。
- レースは淡々と流れて、いいリズム。4コーナーまでは内を通って距離ロスを防いだ。直線の外の方は馬場状態が良かったため、全馬が内ラチ沿いを避けて外へと進路を取る中、内もそんなに荒れているわけではなかったのでロスの無い内めを通った。
- 直線はギリギリ馬場のいい真ん中を鮮やかにさばいて、ゴール前で２，３着馬の内から鋭く抜け出した。気のいい馬だが、最後の脚は良いモノを持っている。
2着馬：ウインオーディン
- 戦前情報・評価・コメント
- 未勝利戦1着時のレースはスローの流れの中、馬込で競馬した初戦での経験が未勝利戦での勝利に繋がっている。初戦に比べ落ち着いており、返し馬をゆっくり走れたことが、レースでの折り合いに繋がった。外へ持ち出してからはいい脚を使って、最後も余裕がある強い内容。いい素質がある。
- 出否は週明けの体調や雰囲気を見てからになるが、あの勝ちっぷりなら重賞でもチャンスがありそう。
- 戦後情報・評価・コメント
- 連闘でパドックでは最後方、返し馬は最後に出して落ち着かせる。
- 中団の3着馬シーウィザードを見る形で進み、直線まで折り合いは良かった。いいタイミングで追い出し、大外でシーウィザードとたたき合いながら、内の逃げ馬を交わして競い勝ったが、勝ち馬に内をすくわれた。馬場の良いところを選んだとはいえ、コース取りの差はある。
- 厳しいローテで頑張ってくれた。
3着馬：シーウィザード
- 戦前情報・評価・コメント
- 除外の憂き目にあい、函館でのデビューとなった。新馬戦では2着馬に詰め寄られるも、後続には5馬身差をつけた文句のない勝ちっぷり。新馬らしく道中は物見をしていたが、息も入り、スピードを活かした強いレースだった。帰厩後も順調。
- 新馬勝ち時は調教から動きが良くて、いい跳びで走れていた。1週前の時点では若干体に余裕があったけど、週末、当週とあと2本で丁度良くなる。リズム良く運べるなら、ここでも楽しみ。
- 1週前追い切りでは格下相手に先行する形であったが、勢いは明らかにシーウィザードの方が良かった。まだ少し体つきに余裕がある感じだけど、動き自体は良かった。
- バランスが良く、グングン前に進んでいくようなフットワーク。ゴール板を過ぎても緩めずに行かせたし、十分仕上がってくると思う。前向きすぎる面があるが、このテンションを維持できれば万全。
- 新潟の外回りコースに替わり、瞬発力勝負に対応できるかが鍵になる。
- 戦後情報・評価・コメント
- ゲートではスイッチが入っていたが、長く待たされたことで、それが抜けた。出遅れたため、逃げずにポツンと中団をなだめつつ進める。4コーナーからジワっと外に出した後、更に進路を外に取ると、今度は更にその外から来たウインオーディンとたたき合い。一旦先頭に立ったものの、ゴール前で内と外の両方から差されてしまった。ゴール寸前で少し甘くなってしまったのは、自ら勝ちに行った分もあったと考えられる。
人気裏切り馬の戦前・戦後の評価・コメントなど
1番人気：アイスグリーン（新潟2歳ステークス5着）
- 戦前情報・評価・コメント
- 姉ディアンドルも新馬勝ちはできなかったが、葵ステークスまで5連勝しており、早くから活躍が期待できる血統。アイスグリーン自身もマイルで折り合えば、鋭い脚を使えそう。
- 前走（デビュー2戦目）は、一度使われて行きっぷりが良くなり、好位の外を手応えよく追走。正攻法の競馬で、2番手から力強く抜け出し快勝。
- 前走が初めての長距離輸送だったが、輸送を苦にしたいタイプで、体重増で出走し快勝。長距離輸送を考慮して緩めの調整だったので、今回は上積みが見込める。
- 今回は馬体をスカッと見せて、脚捌きも素軽くなった。先行したとはいえ、調教でオープン馬と互角の動きで自己ベストをマーク。
- トモが緩いので平坦コースがいいタイプ。前走の行きっぷりを見るとマイルの距離に戻るのはいい。左回りにも対応できそう。ただ、新潟外回りの瞬時の加速力を求められると・・・そのあたりの対応がポイント。
- 戦後情報・評価・コメント
- 好馬体に仕上がっていたが、ジョッキーが乗ると入れ込んでしまって、返し馬では暴れてしまい、競馬前にかなりテンションが上がって消耗してしまった。
- 先団の外で位置取りは良かったが、ムキになっていたことも影響してか、直線で追いだしてからギアが上がらなかった。手応え以上にしぶとく頑張っていたものの、最後は息切れしてしまった。
- 精神的、肉体的に成長の余地があるが、パワー型でもう少し時計のかかる馬場の方が合っているのかもしれない。
