小さな馬体、牡馬は要注意!
エディン
競走馬としてのエディン
繁殖牝馬エディンは父馬ジャングルポケット(1998-2021)、母馬ナインミューズ、母父タイキシャトルの配合で生まれたサラブレッドです。競走馬としてのエディンは20戦5勝。準オープンまで勝ち上がりましたが、重賞レースでは、3戦して11着、11着、12着とサッパリ振るいませんでした。
エディンの血統背景
エディンの父馬ジャングルポケットは生涯戦績13戦5勝。主な勝ち鞍には2001年日本ダービー 【GⅠ】、同年ジャパンカップ 【GⅠ】があります。種牡馬としては2008年菊花賞馬オウケンブルースリ、2010年天皇賞(春)勝ち馬のジャガーメイルをはじめ、2008年オークス馬トールポピー、2011年秋華賞馬トールポピー、2016年JBCクラシック勝ち馬アウォーディーなど様々なタイプGⅠウイナーを輩出した種牡馬です。また、多くの種牡馬は晩年になるとダートでの活躍馬を輩出する傾向があるのですが、ジャングルポケット産駒は芝コースの方が勝利数は多く、芝適性が高い種牡馬であったことが推察されます。
一方、母馬ナインミューズは日本産のサラブレッドで、競走馬としてはデビューしていません。競走馬としての実績がありませんので、ナインミューズの競走馬としての実力のほども不明です。血統的な背景を見てみると、4代母にKorveyaの名前があります。Korveyaは自身は1985年仏クロエ賞 【GⅢ】の勝ち馬として競走馬実績を残しましたが、繁殖牝馬としても、GⅠを5勝したヘクタープロテクター、仏2000ギニー 【GⅠ】勝ち馬のシャンハイ、英1000ギニーをはじめGⅠを3勝したBosra Shamと3頭のGⅠウイナーを輩出した名繁殖牝馬です。ナインミューズは優秀な母系の血を受け継いでいる繁殖牝馬です。
エディン産駒のPOG期間内戦績及び傾向
繁殖牝馬エディン産駒の特徴と傾向を把握すべく、既にPOG期間を過ぎている4番仔ルソルティールまでを対象として考察を進めます。エディン産駒の出世頭は2020年フラワーカップ 【GⅢ】勝ち馬のアブレイズです。
エディン産駒のデビュー時期について
考察対象のエディン産駒4頭の内、出世頭のアブレイズ、4番仔が年明けデビューでした。年明けデビュー率50%ですので、決して早い時期に仕上がる血統ではないと考えられます。ちなみにデビュー勝ちを飾っているのは、出世頭のアブレイズ1頭だけですので、エディン産駒はデビュー勝ちできる傾向にはありません。逆にデビュー勝ちをする産駒であれば、重賞クラスの大物になる可能性が高いと言えるかもしれません。
父系の違いによる戦績の差について
考察対象の4頭はキズナ産駒2頭とヴィクトワールピサ産駒1頭、ブラックタイド産駒1頭です。いずれもサンデーサイレンス系の種牡馬ですが、キズナ産駒で出世頭のアブレイズが出てきたので、キズナとエディンの配合相性は良いのでしょう。しかし、同じキズナ産駒のブライエスは1勝もできないまま登録抹消となってしまっています。アブレイズとブライエスで明らかに異なるのは馬格です。ブライエスが全く活躍できなかったのは、その馬体の小ささに大きな要因があったのかもしれません。
エディン産駒のデビュー時の馬体重について
最軽量でデビューしたのは4番仔ルソルティールで、デビュー戦時の馬体重は428kgでした。一方、最重量でデビューしたのは初仔のカリマで、デビュー戦時の馬体重は480kgでした。出世頭のアブレイズのデビュー戦時の馬体重が476kgでしたので、馬格が470~480kg程度あれば、まず問題はないのでしょう。他の繁殖牝馬にも見られる傾向ですが、小さな馬体に生まれた仔は、活躍する可能性が低くなると考えられますので、エディン産駒をPOG指名で検討する際は馬体重にも注意を払った方が良いと考えます。
産駒の性差による戦績の差について
出世頭のアブレイズが牝馬ですので、現時点ではエディン産駒は牝馬の方が良績を残していると言えます。牡馬のカリマは気性難だったのか、セン馬となっていますので、牡馬に生まれると気性難でコントロールが難しくなるのかもしれません。エディン産駒をPOG指名で検討する際は、馬体重と共に性別についても慎重に検討した方が良いと考えます。
繁殖牝馬 エディン レーダーチャート
繁殖牝馬エディンまとめ
- キズナとは配合相性が良い。
- 馬体重と性別に注意。小さな馬体や牡馬産駒の場合はできれば指名は避けたい。
- エディン2021はキズナ産駒だが、牡馬なので様子見が賢明か。
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