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2WS indexと名付けたPOG期間内2勝以上を上げる可能性の高い2歳馬をPOGドラフト前に探し当てるための指数を開発・検証中。

2023年 POGドラフト戦略 ~ 初仔も狙え! 気になるロードカナロア産駒初仔(牡馬) ~

ロードカナロア産駒初仔牡馬

ロードカナロア産駒初仔牡馬

『初仔は走らない』と競馬界では、まことしやかに囁かれていますが、実際に初仔が活躍した事例がない訳ではありません。初仔は判断材料に乏しいので、POGドラフトでは敬遠されることも多いと思われますが、判断材料が少ない分、競合も発生しにくく、ドラフト下位でも優秀な手駒が獲得できるというメリットもあります。ドラフトメンバーに差をつけたいのならば、初仔も敬遠せずにしっかり検討した方が良いと思います。ということで、当ブログでは『気になる〇〇産駒初仔』と題して、種牡馬別に独断と偏見で選んだ初仔を考察してみます。当ページではロードカナロア産駒(牡馬)を取り上げます。

 

 

まずは父馬ロードカナロアについて簡単に紹介します。

種牡馬ロードカナロアは三石のケイアイファーム生産馬で、父馬キングカメハメハ、母馬レディブラッサム、母父Storm Catの配合で生まれたサラブレッドです。生涯戦績は19戦13勝(勝率68.4%)。2012年、2013年は香港スプリント【GⅠ】及びスプリンターズステークス【GⅠ】の両レースで連覇を果たしており、スプリント ~ マイルを主戦場として国内外のGⅠ戦線で大活躍した一流の競走馬でした。

 

種牡馬としても、初年度産駒からGⅠ9勝の歴史的名牝アーモンドアイを輩出し、2年目産駒からは皐月賞馬サートゥルナーリアを輩出。2023年には産駒のパンサラッサが世界最高賞金のサウジカップを制しており、自身の競走成績とは異なる産駒を輩出しており、種牡馬としても大活躍しています。リーディングサイアーランキングも3年連続ディープインパクトに次ぐ2位をキープしており、ディープインパクト亡き後、リーディングサイアーランキング首位の筆頭候補となっています。それでは、独断と偏見で選んだ気になる2023年ロードカナロア2歳初仔産駒(牡馬)について紹介を進めていきます。

 

馬名:モアリジット(牡)

父馬:ロードカナロア、母馬:インフレキシビリティ、母父:Scat Daddy

母馬インフレキシビリティはカナダ産のサラブレッドで、生涯戦績は15戦4勝。重賞勝ちはありませんが、2018年ダンススマートリーS 【芝GⅡ】2着、同年ボーゲイS 【芝GⅢ】 2着、2018年カナディアンS【ダートGⅡ】3着、2019年イートンタウンS【芝GⅢ】3着の実績があります。

 

血統背景を見てみると、モアリジットの3代母Ballado's Haloの半妹に2004年米3歳牝馬チャンピオン、2005年米古牝馬チャンピオンに選出されたGI7勝の名牝Ashadoがいます。また、Ballado's Haloからは2022年 米 ファウンテンオヴユースS 【GⅡ ダート 8.5F】勝ち馬のSimplificationがいます。

 

血統的には優秀な遺伝子が受け継がれている血統と言えるかと思いますが、優秀な血統背景を持ちつつも、勝ちきれない戦績だった母馬に日本の次期リーディングサイアー候補の父馬ロードカナロアを迎えた配合で、優秀な遺伝子がどのような競走馬として輩出されたのか、大変興味深いところです。

 

馬名:クイーンマンボ2021(牡)

父馬:ロードカナロア、母馬クイーンマンボ、母父マンハッタンカフェ

母馬クイーンマンボは新ひだか町グランド牧場の生産馬で、生涯戦績は18戦4勝。主な勝ち鞍には2017年関東オークス【指定交流GⅡ】、同年レディスプレリュード【GⅡ】があります。

 

血統背景を見てみると、5代母にKey Partnerの名前があります。Key Partnerは1995年オークス馬のダンスパートナー、1996年菊花賞馬のダンスインザダーク、2004年桜花賞馬のダンスインザムードの3兄弟姉妹の母馬ダンシングキィの母馬(3兄弟姉妹の祖母)です。Key Partnerより広がる牝系からは、3兄弟以外にも重賞ウイナー、重賞入着馬も出ていますので、Key Partnerから広がる牝系は優秀な血統と捉えて良いでしょう。

 

上記のような優秀な血統背景を持っており、かつダート適性の高かった母馬に芝適性の高い産駒を輩出している種牡馬ロードカナロアを迎えて出てきた本馬の馬場適性が、どちらに強く表れるのか興味深いところです。ひょっとすると、ダート保険が利くかもしれません。

 

馬名:レガーロデルシエロ(牡)

父馬:ロードカナロア、母馬デアレガーロ、母父:マンハッタンカフェ

母馬デアレガーロはノーザンファームの生産馬で、生涯戦績は17戦6勝。主な勝ち鞍は2019年京都牝馬ステークス【GⅢ】です。デビュー戦は芝2000mのレースで新馬勝ち。続く3歳500万下は芝1800mで、デビュー2連勝を飾りました。ちなみに最高戦績を収めた京都牝馬ステークスは芝1400mのレースでした。競走馬としての実績は、芝1200m ~ 芝2000mで勝利を上げており、幅広い距離適性を示しました。

 

血統背景を見てみると、レガーロデルシエロの3代母にSouvenir Giftの名前があります。Souvenir Giftは自身も2004年米ランダルースS 【 GⅢ ダート6.0F 】の勝ち馬で、2004年米デルマーデピュタントS 【 GⅠ ダート7.0F 】で2着に入線した優秀な競走馬でした。

 

繁殖牝馬としても、2022年デイリー杯クイーンカップ【GⅢ】勝ち馬プレサージュリフトの母馬シュプリームギフトをはじめ、重賞戦線で実績を残した競走馬を輩出しています。レガーロデルシエロは質の高い血統背景を有していると言って良いでしょう。

 

前出のクイーンマンボの2021同様に、本馬も父馬ロードカナロア×母父ロードカナロアの組み合わせなので、どのような競走馬に成長していくのか、興味深いところです。また、母馬がダートで実績を残した競走馬であったところも、クイーンマンボ2021同じで、ダート保険が利く可能性があります。現時点で、既に馬名が決定し、所属予定厩舎が明らかとなっている点はPOG的にはプラス材料です。

 

馬名:ロードアルフィーネ(牡)

父馬:ロードカナロア、母馬:プリメラビスタ、母父:オルフェーヴル

母馬プリメラビスタはノーザンファームの生産馬で、生涯戦績は13戦2勝。中央では勝利が上げられず、2勝は地方競馬での実績です。プリメラビスタは競走馬としては全く活躍できませんでしたが、血統的にはなかなか注目しがいのある背景を持っています。

 

プリメラビスタの母馬は1995年JRA賞最優秀2歳牝馬に選出されたビワハイジです。ビワハイジは競走馬としても活躍しましたが、繫殖牝馬としてもGⅠ6勝のブエナビスタ、2011年JRA賞最優秀2歳牝馬に選出されたジョワドヴィーヴルを含む重賞ウイナーを6頭も輩出した超一流の繁殖牝馬でもあります。

 

超優秀な牝系を背景としたプリメラビスタが父馬にロードカナロアを迎えて輩出した本馬には、さぞ大きな期待がかかっていることでしょう。ただし、ビワハイジ産駒の牝馬の仔出しを見てみると、血統背景に見合うような活躍馬を輩出できていないようで、その点が非常に気になります。

 

馬名:ミカリーニョ2021(牡)

父馬:ロードカナロア、母馬:ミカリーニョ、母父:ハーツクライ

母馬ミカリーニョはノーザンファームの生産馬で、生涯戦績は10戦2勝。2勝しかしていませんので、競走馬としては全く活躍できませんでした。ミカリーニョのデビュー戦時の馬体重は428kgで、小柄な馬体だったことが出世を妨げていた可能性もあります。

 

血統背景を見てみると、ミカリーニョ2021の2代母ミスエーニョは2009年米デビュタントS 【 GⅠ】、同年ソレントS 【GⅢ】勝ち馬で、繁殖牝馬としては、2016年ファンタジーS 【GⅢ】勝ち馬のミスエルテを輩出しています。また、3代母Madcap Escapadeは2004年米アシュランドS 【GⅠ】を含む計5つの重賞を勝っています。

 

仔出しの優秀な牝系とも考えられますが、産駒の大物感という視点で見ると物足りなさを感じてしまいます。父馬にリーディングサイアートップの候補種牡馬ロードカナロアとの配合によって、どのような競走馬が生まれてきているのか興味深いところです。母馬の小柄な馬体を引き継がなければ、血統背景以上の活躍が期待できるかもしれません。

 

馬名:ミリッサ2021(牡)

父馬:ロードカナロア、母馬:ミリッサ、母父:ダイワメジャー

母馬ミリッサはノーザンファームの生産馬で、生涯戦績は17戦4勝。主な勝ち鞍は2018年 初音ステークス 【 1600万下 芝1800m 】です。4つの勝ち鞍のうち、3つは 芝1600m戦での勝利でした。ミリッサの馬場・距離適性は芝1600m-1800mあたりと考えられます。また、ミリッサはデビュー戦時の馬体重が414kgと、小柄な馬体でした。もう少し馬格が大きければ、更なる出世も望めたかもしれません。

 

ミリッサ2021の血統背景を見てみると、2代母にシンハリーズの名前があります。シンハリーズは2005年 米 デルマーオークス 【GⅠ】勝ち馬で、繫殖牝馬としても2016年オークス 【GⅠ】勝ち馬シンハライトの他、アダムスピーク、リラヴァティの重賞ウイナーを輩出しており、競走馬としても、繫殖牝馬としても優秀なサラブレッドでした。ただし、仔出しの優秀なシンハリーズですが、シンハリーズ産駒の牝馬の仔出しは、シンハリーズに比べるとかなり見劣る点が気になります。ミリッサ2021は父馬ロードカナロア×母父ダイワメジャーの配合ですので、距離適性はマイル近辺になるかもしれません。牡馬クラシック向きではない可能性もあります。

 

馬名:キングオリヴァー(牡)

父馬:ロードカナロア、母馬:リアオリヴィア、母父:ディープインパクト

母馬リアオリヴィアはノーザンファームの生産馬で、生涯戦績は6戦0勝。競走馬としては全く活躍できませんでした。デビュー戦こそ450kgで迎えましたが、馬体重は戦績を重ねるごとに減っていき、引退レースでは422kgでした。

 

キングオリヴァーの血統背景を見てみますと、2代母にリアアントニアの名前があります。リアアントニアは2013年BCジュヴェナイルフィリーズ【GⅠ】勝ち馬です。また、母馬リアオリヴィアの全妹には2019年 アルテミスステークス【GⅢ】と2020年 ローズステークス【GⅡ】の重賞2勝のリアアメリアがいます。

 

キングオリヴァーは近親に活躍馬がいる活気ある牝系を血統背景に持っていると言えます。既に馬名が決定し、入厩予定厩舎が明らかになっている点はPOG的にはプラス材料です。

 

馬名:レッドレクス(牡)

父馬:ロードカナロア、母馬:レッドオルガ、母父:ディープインパクト

母馬レッドオルガはノーザンファームの生産馬で、生涯戦績は16戦5勝。重賞勝ちはありませんが、2019年 東京新聞杯【GⅢ】2着、同年 富士ステークス【GⅢ】3着の実績があります。勝ち鞍の5勝は芝1600m戦での勝利、重賞入線実績も芝マイル重賞でのものです。母馬レッドオルガの距離適性は1600mだったと思われます。デビュー戦時の馬体重は426kg。勝利時の馬体重は430 ~ 448kg、重賞入着時の馬体重は450及び454kgでした。馬体の成長と共に実績も上がっていたと考えて良いのかもしれません。ちなみに母馬レッドオルガの生涯戦績16戦の内、6戦で出遅れていますので、出遅れ癖(?)がレッドレクスに遺伝していないと良いのですが・・・。

 

血統背景を見てみると、レッドレクスの2代母にエリモピクシーの名前があります。エリモピクシーは重賞勝ちの実績こそないものの、2004年福島牝馬ステークス【GⅢ】、同年愛知杯【GⅢ】、2005年京都牝馬ステークス【GⅢ】のそれぞれで3着入線の実績があります。一方、繁殖牝馬としては、リディル、クラレント、レッドアリオン、サトノルパンの4頭の重賞ウイナーを輩出していますし、上記4頭以外にも重賞入着馬を3頭も輩出している優秀な繁殖牝馬でした。

 

仔出しの優秀さが母馬レッドオルガにも伝えられていれば、レッドレクスの活躍も大きく期待できます。父馬ロードカナロアとマイルに距離適性のあった母馬の配合ですので、レッドレクスもマイルあたりに距離適性があるかもしれません。既に馬名が決定しており、入厩予定厩舎が明らかになっている点はPOG的にはプラス材料です。

 

発売日は毎年4月1日!

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