2023年の2歳馬の世代からディープインパクト産駒が1頭もいなくなります。11年連続でリーディングサイアーランキングトップに君臨した種牡馬ディープインパクトの産駒がいた頃は、『ディープインパクト産駒の中から“当たり”を引くこと』が勝利への近道でした。しかし、ディープインパクト亡き今、その手法は取れなくなってしまいました。
そこで、新たな勝利への近道を探さねばなりませんが、POGファンの皆様ならば、2012年から生産者リーディングトップに君臨しているノーザンファームの生産馬の中から選ぶという手法を取るのではないでしょうか。質・量ともに他の追随を許さないほどの圧倒的な生産実績を残してきたノーザンファームの生産馬の中から、2023年 - 2024年シーズンも2歳重賞戦線を賑わす競走馬が輩出されてくることでしょう。しかし、毎年何百頭と生産しているノーザンファームの競走馬の中から、“当たり”を引くのは、これまた難しいことではあります。ただし、探し当てるのが難しいからと諦めてしまってはいけません。
ノーザンファームは圧倒的な質・量の種牡馬と繁殖牝馬を繋養・所有していますので、ノーザンファームの種付け戦略が、その年の2歳リーディングサイアーランキング及び2歳戦の戦績にも大きく影響します。ノーザンファームの種付け戦略を読み解くことは、POGでの勝利に近づくことにも繋がります。しかし、ノーザンファームの当事者でない我々が、それを知る術はないので、ノーザンファームの行った繁殖の結果から、その戦略を読み取る手法を取りたいと思います。
ノーザンファームの種付け戦略
下記表は2023年4月29日時点で血統登録のあるノーザンファーム生産馬頭数を種牡馬別にランキング化したものです。
2021年に誕生したノーザンファーム生産馬の中で、最も産駒の血統登録数の多い種牡馬はモーリスでした。産駒数は50頭です。種付けされた繁殖牝馬の質も考慮すべき点かと思いますが、確率論的な視点から見れば、血統登録されたモーリス産駒から大物が輩出される可能性が最も高いと考えられます。
これまでのモーリス産駒の代表的な活躍馬には2023年 産経大阪杯 【GⅠ】 勝ち馬のジャックドール、2022年 エリザベス女王杯 【GⅠ】 勝ち馬のジェラルディーナ、2021年 スプリンターズステークス 【GⅠ】 勝ち馬のピクシーナイトがいます。産駒の距離適性はマイル~中距離。馬場適性としては、ダート重賞の勝ち馬よりも芝の重賞の勝ち馬の方が多く誕生しているので、芝適性の方が高いようです。ただし、ダート戦であっても、脚抜けの良くなる稍重馬場では比較的高い勝率を示すデータも存在します。
また、成長スピードという点で見てみると、ジャックドールやジェラルディーナの活躍は古馬になってからのものなので、成長スピードは稍遅いと考えられますし、POG的には不安な点でもあります。
新種牡馬に目を向けてみると、レイデオロ産駒が39頭、ニューイヤーズデイ産駒が25頭、スワーヴリチャード22頭、ブリックスアンドモルタルが20頭となっています。新種牡馬の特徴は走ってみるまでわかりませんが、日本でトップクラスのノーザンファームがディープインパクト亡き後の後継種牡馬を探していると仮定するならば、種付け頭数の多さ、血統登録頭数の多少が、その戦略を裏付けるデータとなっている可能性があります。
『 血統登録数の多さ=ノーザンファームの主要種牡馬 』という図式が成り立つならば、POG的には、血統登録馬数の多い種牡馬産駒の中から、POG指名馬を選ぶことに意味はありますし、指名馬の順位付けの参考にもなるのではないでしょうか。
社台ファームの種付け戦略
ここまでノーザンファームの種付け戦略について見てきましたが、もう1つ触れておきたいことがあります。ここ2,3年、かつての生産者リーディングトップであった社台ファーム生産馬の活躍が目に付くようになりました。かつての王者の巻き返しが始まっています。そこで、社台ファームの種付け戦略についても同じ手法で読み取ってみたいと思います。
登録血統数が最も多かったのは、新種牡馬ブリックスアンドモルタルで、その数は27頭です。2番目はキズナとマインドユアビスケッツで、24頭です。続いてイスラボニータが21頭、エピファネイア17頭、ロードカナロア16頭となっています。当たり前と言えば当たり前なのですが、ノーザンファームの種付け戦略とは明らかに異なります。活躍馬の台頭が目に付くようになった社台ファームですので、これまで社台ファームの生産馬を敬遠してきたPOGプレイヤーの方々も、今年あたりからは社台ファーム生産馬の指名を検討されていることと思います。その際の参考情報になれば幸いです。
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