3頭目のロードカナロア産駒は果たして?
パストフォリア
競走馬としてのパストフォリア
繁殖牝馬パストフォリアはノーザンファームの生産馬で、生涯戦績は11戦4勝。4勝していますが、重賞での入線実績はありません。競走馬として特筆すべき活躍はできませんでしたが、戦績のラスト3戦は3連勝を飾るなど、素質の片鱗は垣間見えました。
繁殖牝馬パストフォリアの血統背景
繁殖牝馬パストフォリアの父馬シンボリクリスエスは、米国産のサラブレッド。日本で競走馬デビューしました。競走馬としての戦績は15戦8勝。主な勝鞍には2002年及び2003年 天皇賞秋【GⅠ】、2002年及び2003年 有馬記念【GⅠ】があります。種牡馬としてのシンボリクリスエスを見てみると、代表産駒にはエピファネイア、アルフレード、ルヴァンスレーヴ、サクセスブロッケン等がいます。種牡馬シンボリクリスエスは、芝GⅠの勝ち馬を輩出してはいますが、産駒達はダートの中距離戦で活躍する傾向にあり、かつ活躍時期のピーク(勝率が最も高まる時期)は4歳ですので、POG向きの種牡馬ではないようです。また、BMSとしては2022年BMSランキング5位に位置しており、BMSシンボリクリスエスの代表産駒には、中山グランドジャンプ6連覇のオジュウチョウサン、現GⅠ3勝のソングラインがいます。
一方、母馬ハッピーパスもパストフォリアと同じく、ノーザンファームの生産馬。生涯戦績は28戦5勝。主な勝ち鞍には2003年 京都牝馬ステークス 【GⅢ】があります。重賞勝ちは1つだけですが、重賞では何度も2着、3着に入線した実績のある、人気の高い競走馬でした。血統背景を見てみると、パストフォリアの2代母にハッピートレイルズの名前があります。ハッピートレイルズを祖とする牝系からは、何頭もの重賞ウイナー、重賞入着馬が輩出されており、パストフォリアは活気あふれる牝系出身のサラブレッドであると言えます。
パストフォリア産駒の
POG期間内戦績及び傾向
パストフォリア産駒の傾向及び特徴を把握すべく、既にPOG期間を終了している5番仔イコノスタシスまでを対象として考察を進めていきます。なお、パストフォリア産駒の出世頭は2022年 フィリーズレビュー 【GⅡ】勝ち馬のサブライムアンセムです。
パストフォリア産駒の
デビュー時期について
考察対象のパストフォリア産駒5頭の内、2歳時にデビューしたのはロードカナロア産駒のサブライムアンセム、モーリス産駒のイコノスタシスの2頭です。パストフォリア産駒の2歳デビュー率は40%となります。決して高いデビュー率ではありませんので、パストフォリア産駒のドラフト指名を検討する場合、デビュー時期には注意した方が良いでしょう。ちなみに、パストフォリア産駒のデビュー戦勝率は0%。デビュー勝ちは期待できない血統と思っておく方が良いでしょう。
パストフォリア産駒の
競走馬デビュー時の馬体重について
考察対象のパストフォリア産駒5頭の内、最軽量でデビューしたのは、初仔パスティエーラで、デビュー戦時の馬体重は432kgでした。一方、最重量でデビューしたのはロードカナロア産駒の3番仔インテグリフォリアとその全弟サブライムアンセムで、デビュー戦時の馬体重は共に486kgでした。出世頭のサブライムアンセムが最重量でデビューしているので、パストフォリア産駒をPOGで選ぶならば馬格が大きい方が良いのでしょう。ちなみに、サブライムアンセムの全兄インテグリフォリアの戦績がイマイチなのですが、インテグリフォリアは脚元のトラブル等でデビューが遅れ、十分な調教が積めなかった可能性もあります。同じ血統構成でも3歳9月のデビューとなったインテグリフォリアと2歳8月でデビューした出世頭サブライムアンセム。パストフォリア産駒をドラフト指名するならば、早期デビューが見込めることが条件となるでしょう。なお、パストフォリア自身のデビュー戦馬体重は452kgでした。
パストフォリア産駒の
性差による戦績の差について
繁殖牝馬パストフォリアの牡馬産駒は、現時点で2016年産(未デビュー、馬名登録なし)の1頭のみです。その1頭も未デビューですので、性差による戦績の差を考察することはできませんでした。
父系の違いによる戦績の差(配合相性)について
出世頭のサブライムアンセムがロードカナロア産駒ですので、パストフォリアとロードカナロアの配合相性は悪くはないのでしょう。既に触れましたが、サブライムアンセムと同じ血統構成のインテグリフォリアの戦績がイマイチなのは、育成過程での脚元トラブルによる調教不足が大きな要因なのでしょう。ロードカナロアとの配合相性は悪くはありませんが、他の種牡馬との配合で更なる大物が誕生しても不思議ではありません。
繁殖牝馬 パストフォリア
レーダーチャート
POGでパストフォリア産駒を
選ぶ時のポイント
- デビュー勝ちは期待できない傾向。
- 馬格は大きく、早期デビューの場合、良績を期待できそう。
- 現時点ではロードカナロアとの配合が最も良績を期待できますが、それ以外の種牡馬との配合で更なる大物が出てくる可能性も考えられます。
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