大物誕生は間もなく??
ハウオリ
競走馬としてのハウオリ
繁殖牝馬ハウオリは大北牧場の生産馬で、父馬キングカメハメハ、母馬ノースフライトの配合で生まれたサラブレッドです。生涯戦績は12戦3勝。重賞の出走経験はありません。競走馬としては凡庸な戦績しか残せていませんが、競走馬デビューした産駒は、全て1勝以上を上げており、繁殖牝馬としては高い素質を見せています。
繁殖牝馬ハウオリの血統背景
繁殖牝馬ハウオリの父馬キングカメハメハの競走馬としての戦績は、2004年NHKマイルC、2004年ダービーの変則G1 2冠をはじめとして8戦7勝。マイルから2400mまで幅広い距離適性を発揮しました。父はミスタープロスペクター系~キングマンボ系の流れを汲み、牝系は名牝ミエスクへと繋がっています。一方、母父はノーザンダンサー ⇒ トライマイベストの流れを汲むラストタイクーンで欧州血統を引き継いでいます。種牡馬としては、サンデーサイレンス系牝馬との配合で大成功を収めているだけでなく、母系によって多彩な適性を示す産駒が登場しています。代表的な産駒としては、ロードカナロア、アパパネ、ラブリーデイ、ドゥラメンテ、レイデオロがいます。
一方、母馬ノースフライトもハウオリと同じく大北牧場の生産馬で、生涯戦績は11戦8勝。1994年 安田記念 【GⅠ】、同年 マイルチャンピオンシップ 【GⅠ】の勝ち馬です。ノースフライトは古馬マイル戦線で活躍した牝馬でしたので、ハウオリはノースフライトの仔という点で大きな注目を集める存在でした。
ハウオリ産駒のPOG期間内戦績及び傾向
ハウオリ産駒の傾向及び特徴を把握すべく、既にPOG期間を終了している5番仔サイルーンまでを対象として考察を進めていきます。ちなみに考察対象のハウオリ産駒5頭は全て中央競馬で勝ち上がっています(POG期間外も含む)ので、重賞ウイナーこそ輩出できていないものの、ハウオリ自身は優秀な繁殖牝馬であることが伺い知れます。
ハウオリ産駒のデビュー時期について
考察対象のハウオリ産駒5頭の内、2歳時にデビューできなかったのは初仔キロハナと4番仔のテイデです。2歳時にデビューした残り3頭も、そのデビュー時期は2歳11月及び12月ですので、ハウオリ産駒は早い時期からデビューする傾向にはないようです。ちなみに、ハウオリ産駒のデビュー戦を見てみると、Ⅰ1-3番仔まではデビュー勝ちを飾っていますが、4,5番仔はデビュー勝ちを飾ることはできませんでした。その要因については不明ですが、デビュー勝ちの傾向がなくなりつつあることが懸念されます。
ハウオリ産駒の競走馬デビュー時の馬体重について
考察対象のハウオリ産駒5頭の内、最軽量でデビューしたのは3番仔オハナで、デビュー戦時の馬体重は412kgでした。一方、最重量でデビューしたのは4番仔のテイデで、デビュー戦時の馬体重は468kgでした。最軽量でデビューしたオハナがPOG期間内に2勝を上げているのに対して、最重量でデビューしたテイデはPOG期間内0勝でしたので、ハウオリ産駒に関しては、馬格が大きい方が良いとは言えないようです。なお、ハウオリ自身のデビュー戦時の馬体重は482kgでした。母馬のハウオリより明らかに小さな馬格の産駒の戦績が良いのは、自身の馬格がやや小さめだった父馬ディープインパクトの遺伝的影響が強かったからなのかもしれず、母馬の馬格に寄った産駒で戦績が見劣ったのは、父馬ディープインパクトの遺伝的影響が少なかったからなのかもしれません。ハウオリ産駒に関しては、父馬の影響を強く受けているか否かが、産駒の活躍の見極めに寄与するかもしれません。
ハウオリ産駒の性差による戦績の差について
繁殖牝馬ハウオリの牡馬産駒キロハナと牝馬産駒のオハナがそれぞれPOG期間内に2勝を上げておりますし、考察対象のハウオリ産駒5頭を牡馬産駒、牝馬産駒に分けて、その戦績を見てみても、明らかな戦績差は見られませんので、ハウオリ産駒の性差による戦績差はないと考えて良いでしょう。
父系の違いによる戦績の差(配合相性)について
考察対象のハウオリ産駒5頭は全てディープインパクト産駒ですので、父系の違いによる戦績の差は不明です。今回の考察の対象外ですが、6番仔カエルムは、ディープインパクトの代用血統となるブラックタイドとの配合による産駒です。カエルムがどのような戦績を残すのかが、繁殖牝馬ハウオリの真の評価になるのかもしれません。ディープインパクトバブル(ディープインパクトの種牡馬としての影響力が強すぎて、繁殖牝馬としての評価が過剰に上がっている状態のこと)でないことに期待します。
繁殖牝馬 ハウオリ レーダーチャート
POGでハウオリ産駒を選ぶ時のポイント
- ハウオリ産駒は早期デビューを期待できない傾向にありますが、兄姉は全て中央競馬で勝ち上がっており、母馬ハウオリは優秀な産駒を輩出する繁殖牝馬と言えます。
- 父馬の影響をより強く受けているか否かが、産駒の活躍を見極めるポイントになるかもしれません。
- ディープインパクトバブルか否かを見極める必要があります。大物誕生は間もなくかも??
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