ひょっとすると・・・超優秀??
アメージングムーン
競走馬としてのアメージングムーン
繫殖牝馬アメージングムーンは父馬アドマイヤムーン、母馬ビッグテンビー、母父テンビーの配合で生まれた競走馬でした。生涯戦績は9戦1勝。自身は競走馬としては特筆すべき実績は残せませんでした。
アメージングムーンの血統背景
父馬アドマイヤムーンはフォーティナイナー系種牡馬で、生涯戦績は17戦10勝、主な勝ち鞍には2007年宝塚記念 【GⅠ】、同年ジャパンカップ 【GⅠ】、同年ドバイデューティフリー 【GⅠ】があります。種牡馬としては初年度から5年連続で100頭を超える交配が行われた人気の種牡馬で、代表産駒には2017年スプリンターズS 【GⅠ】を制したセイウンコウセイ、2018年高松宮記念 【GⅠ】、同年スプリンターズS 【GⅠ】を制したファインニードルがいます。アドマイヤムーン自身は中距離を中心に実績を残しましたが、産駒は短い距離のレースで結果を残しています。しかしながら、近年は活躍馬に恵まれず、種付け頭数も減少傾向にあります。
一方、母馬ビッグテンビーは生涯戦績4戦1勝で、競走馬としては活躍できませんでした。しかし、ビッグテンビーの血統背景を見てみると、その母系には1962年天皇賞(秋)勝ち馬のクリヒデがいます。アメージングムーンには日本の在来牝系の血も流れています。
アメージングムーン産駒のPOG期間内戦績及び傾向
アメージングムーン産駒の特徴と傾向を把握すべく、既にPOG期間が終了しているタッチウッドまでの4頭を対象として考察を進めます。なお、アメージングムーン産駒の現時点での出世頭は2023年 アメリカジョッキーC 【GⅡ】、2022年 エプソムカップ 【GⅢ】勝ち馬のノースブリッジです。
アメージングムーン産駒のデビュー時期について
考察対象のアメージングムーン4頭の内、3歳になってからのデビューは3番仔のサトノユニティだけです。サトノユニティのデビューが遅くなった理由は不明ですが、特段大きなトラブルがあった訳ではなさそうですので、成長スピードが遅かったのか、馬体の成長を待っていたためデビューが遅れたのでしょう。サトノユニティ以外は2歳の内にデビューできていますので、馬体の成長を待たなければならないような小さな馬体でなければ、2歳でのデビューを見込んで良いと考えます。なお、アメージングムーン産駒の誕生月は1月に集中しています。このことも産駒の多くが2歳時にデビューできている要因と言えるでしょう。
産駒の競走馬デビュー時の馬体重について
アメージングムーン産駒には出世頭のノースブリッジの他に、もう1頭同じモーリス産駒のサトノユニティがいます。サトノユニティのデビュー戦時の馬体重は436kg。サトノユニティは中央で2戦して、地方競馬へ転籍してしまいました。2頭の血統構成は全く同じですが、戦績には大きな違いが出てしまいました。要因は定かではありませんが、サトノユニティがPOG期間内に1勝もできなかった要因の一つに小柄な馬体であったことがあったのかもしれません。なお。出世頭のノースブリッジのデビュー戦時の馬体重は468kgでしたので、アメージングムーン産駒を指名するならば、デビュー戦で470Kg程度の馬体重を見込める方が良いのでしょう。
産駒の性差による戦績の差について
考察対象のアメージングムーン産駒4頭は全て牡馬ですので、産駒の性差による戦績の差について考察はできません。
父系の違いによる戦績の差(配合相性)について
出世頭のノースブリッジの父馬はロベルト系種牡馬モーリスとの配合ですので、アメージングムーンとモーリスの配合相性は良い!・・・と言いたいところですが、全弟のサトノユニティが中央では1勝も上げることができませんでしたので、モーリスとの配合相性が特別良いということではなさそうです。また、ドゥラメンテ産駒の4番仔タッチウッドは、デビュー2戦目で2023年 共同通信杯 【GⅢ】 2着に入る戦績を残しており、競走馬としての素質の高さが窺えます。もしかすると、アメージングムーンは父系を問わず活躍馬を輩出できる優秀な繁殖牝馬になるかもしれません。
繁殖牝馬アメージングムーン レーダーチャート
POGでアメージングムーン産駒を選ぶ時のポイント
- 小さな馬体重の産駒は指名を見送った方が良さそう。
- 出世頭のノースブリッジと全弟サトノユニティでは戦績に大きな差があり、アメージングムーンの仔出しの再現性には疑問が残る。
- その一方で、アメージングムーンは父馬を選ばず走る産駒を輩出する可能性を感じさせる一面がある。
|