母系は一流も、POG的には?
競走馬としてのイクスキューズ
繫殖牝馬イクスキューズは父馬ボストンハーバー、母馬クリスティキャット、母父Majestic Lightの配合で生まれたサラブレッドです。競走馬としての生涯戦績は20戦3勝。3勝しかしていませんが、2007年デイリー杯クイーンC 【GⅢ】を勝っており、その他にも2006年ファンタジーS 【GⅢ】2着、札幌2歳S 【GⅢ】3着など、早い時期から活躍しました。
繁殖牝馬イクスキューズの血統背景
イクスキューズの父馬ボストンハーバーは米国産で、米国で活躍した競走馬でした。生涯戦績8戦6勝。主な勝ち鞍に1996年BCジュヴェナイル 【GⅠ】があります。2016年に種牡馬としては引退しており、現在は母父としてその血が残っています。産駒には早熟性とスピードを伝えているが、孫の代には成長力も伝えているとされているようです。
一方、母馬クリスティキャットは生涯戦績35戦11勝、主な勝ち鞍に1992年フラワーボウルH 【GⅠ】があり、重賞を5勝した一流の競走馬でした。また、血統背景も一流で、イクスキューズの曾祖母Missy Babaは米リーディングサイアーに輝いたA.P. Indyを擁する名牝系で、米国のみならず欧州でも活躍馬を多数輩出しています。日本に関係するところでは、母系にいるUviraの子孫には2008年皐月賞馬のキャプテントゥーレがいます。
イクスキューズ産駒のPOG期間内戦績及び傾向
自身も競走馬として活躍し、一流の血統背景も備えた繁殖牝馬イクスキューズについて、POG期間を終了している10頭を対象に考察を進めていきます。出世頭はマンハッタンカフェ産駒のウインイクシードとゴールドシップ産駒のウインキートスです。
産駒のデビュー時期について
3番仔ウインマハロは2歳7月と早い時期にデビューしていますが、イクスキューズ産駒は総じてデビュー時期は早くはありません。脚元のトラブルによるもの、気性の問題もありますが、誕生日が遅いこともその要因の1つと考えられます。上記表を見て頂ければわかるかと思いますが、イクスキューズ産駒の誕生日は年々遅くなってきています。POGは限られた期間にデビューして結果を出さねばならないルールですので、誕生日が遅いこと自体がPOGではリスクとなります。出世頭の2頭も実績を出したのは古馬になってからです。なお、出世頭の2頭は共に2歳11月にデビューしていますので、POG的には年明けデビューとなりそうな産駒の指名は避けた方が良いと考えます。
産駒のデビュー時の馬体重について
最軽量でデビューしたのは2019年産のウインフェリーチェでデビュー戦時の馬体重は394kgでした。一方、最重量はウインイクシードで480kgです、最軽量ウインフェリーチェのPOG期間内の戦績は4戦0勝。最重量ウインイクシードのPOG期間内の戦績は7戦1勝。POG期間内の戦績で比べれば、馬体重による戦績の差は無いと言って良いかと思いますが、最重量のウインイクシードのデビュー戦時の馬体重が480kg、ウインキートスのデビュー戦時の馬体重が440kgですので、少なくともデビュー戦時の馬体重が440kg程度は見込める産駒がPOG的には望ましいと考えられます。
産駒の性差による戦績の差について
考察対象の10頭のイクスキューズ産駒は牡馬5頭、牝馬5頭の内訳となっています。牡馬、牝馬ともに重賞戦線での活躍馬が輩出されていますので、性差による戦績の偏りは無いと考えます。
POGでイクスキューズ産駒を選ぶ時のポイント
- 母系は超一流の血統。繁殖実績も優秀。
- デビュー戦時の想定馬体重は440kg程度以上が見込まれる産駒を選ぼう。
- 産駒の誕生日は年々遅くなっており、デビュー時期には注意を払った方が良い。
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