過去のレースから得られた馬券のヒント
- 基本的には瞬発力と持続的な末脚が求められ、上り3ハロン最速馬の戦績が良好。いかに最後の直線で早い脚が使えるかがポイントとなってくる。
- 時計面での裏付けのない人気馬は、3連系の馬券圏内には来る可能性はあるが、1着の可能性は低い。
2023年 東京スポーツ杯2歳ステークス 振り返り
戦前のレース論点
- デビュー戦を好内容で勝ち上がった1番人気フォルラニーニ vs 大器誕生の予感を感じさせる2番人気ファーヴェントが基本構図。
- 人気2頭に割って入る可能性のある素質馬が現れるのか否か。
1-3着馬の戦前・戦後のコメント
1着馬:シュトラウス(4番人気)
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戦前情報・評価・コメント
- 新馬戦は不良馬場ではあったが、9馬身差で逃げきり勝ち。4か月ぶりのサウジアラビアRCでは、最内枠で後手に回り、行きたがる面を見せたが、2着ボンドガールとクビ差の3着。高速馬場に対応できた。
- 前走は好位で我慢できたが、キレがなくてジワジワ脚を伸ばした。スタートから落ち着いて走れるようになれるかどうかがカギ。
- 牧場で軽い熱発があり、帰厩は直前に。しかし、前回の帰厩時と比べ体が締まっており、状態は悪くない。能力はあるので、自分のリズムで走れれば好勝負に。
- まだ動きや仕草に危うさが感じられるが、折り合いはそれなりについていたし、追い切りの前後も入れ込んだ様子はない。豪快な動きでポテンシャルは相当。
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戦後情報・評価・コメント
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気性のコントロールが難しい馬。最終追い切りを坂路に変えるなどして、折り合い面の対策を施した効果か、レースではギリギリのところで我慢が利いた。直線に入るとスッと脚を伸ばして先頭グループへ。2着馬との追い比べを制して、そのまま力強く押し切った。
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ややテンションは高かったものの、3番手で前に馬を置きながら折り合いレースを進めた。前半で前の2頭が速いペースで引っ張ってくれたため、程よく流れて理想的な形で直線へ。少しモタレ気味ではあったが、最後まで止まらずに力強く押し切った。収穫ある内容だったが、マイルがベストかも。
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2着馬:シュバルツクーゲル(8番人気)
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戦前情報・評価・コメント
- 新馬戦前の追い切りでは速い時計を出せなかったため、結果的には八分程度のデキで出走。にもかかわらず、レースでは2番手につけて強い勝ち方。今回は相手が強くなるが、前走からの上積みが見込まれる。フットワーク、レースセンスが良く、初の東京コースでもこなしてくれるであろう。
- この中間はトモの擦れ防止のため、坂路中心の稽古。併せ馬では常に優秀な姿を見せており、動きは依然素軽い。順調そのもの。
- 頭が高く、前脚が開いた走法は、この血筋特有のもの。不器用で幼さも残るが、バネは感じられる。
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戦後情報・評価・コメント
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いいスタートが決まり、離れた2番手でスムーズに流れに乗れた。終始自分のリズムで、リラックスして走れていた。直線を迎えると勝ち馬と共に逃げ馬を捉えに行く。粘り強く脚を使って、最後まで止まっていなかったが、勝ち馬が強かった。舞台が替わり、初戦とはペースも違ったが、しっかりと対応してセンスを見せた。
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3着馬:ファーヴェント(2番人気)
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戦前情報・評価・コメント
- 夏の新潟でデビュー勝ち。スローペースであったにもかかわらず、前に壁を作ってレースを進め(きっちり折り合う)、直線では前が開くと、馬群を捌いてメンバー最速の上りで抜け出すなど、ポテンシャルは相当に高い。
- 帰厩後の調教では、コースを交えて質の高い調教をこなしており、最後まで手綱を引っ張ったままで迫力満点の動きを見せている。テンションも上がらずに来ており、メンタルもしっかりしている。大型馬で馬体は逞しく、乗り込まれて上々の雰囲気に仕上がる。輸送を経験している点も心強い。
- フットワークが大きく、東京競馬場のような広いコース向きで、相当に素質のある馬だが、勝ち負けするには大幅な時計短縮が要求される。
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戦後情報・評価・コメント
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前走からの馬体重減(-10kg)の影響は少なかったと思われる。道中は勝ち馬の4-5馬身後ろで理想的な立ち回りだった。勝ち馬を前に見ながら流れに乗って、直線半ばで満を持して追い出しにかかるが、意外とスパッと切れずにジリジリ伸びてくる感じ。
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体を使い切れず、直線では左にモタれて、脚色が一緒になってしまったのは、良化の余地が残る分だろう。今回は完成度の差も大きかった。まだ成長の余地があるが、自己条件ならアッサリかも。
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人気裏切り馬の戦前・戦後コメント
1番人気:フォルラニーニ(8着)
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戦前情報・評価・コメント
- デビュー戦は2番手でレースを進めた。4コーナーを逆手前で回ったため、膨れ気味になるほど粗削りな部分も見せたが、それでいてラスト2ハロン11秒6-11秒1の加速ラップ。レース最速の上りで2着に3馬身半差をつけての勝利。
- 1週前追い切りでは、Wコースで6ハロン83秒3、ラスト1ハロン11秒6を計時し、3勝クラス古馬を相手に優勢の手応えで駆け抜けた。変わらず調教では動く。フォームに安定感が出て、体つきも良くなっており、前走からの上積みが感じられる。もともと馬っ気は強いけど、走り出せば大丈夫。
- 相手関係はともかく、デビュー戦は強い競馬。放牧を挟んでパワーアップし、動きも数段良くなっている。エピファネイア産駒だけにテンションが上がらないことが条件になるが、ここに入っても素質は引けを取らない。もう少し落ち着きが欲しいが、状態面に不安なし。前走は外へ張り気味になるのを矯正しながらの勝利だったので、広い東京向きだろうし、左回りがプラスに働く可能性もある。
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戦後情報・評価・コメント
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ゲート裏でテンションが高く、中でもガチャついた。スタートで遅れて、ハミも取らなかった。
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少しうるさかったが、雰囲気は悪くなさそうに見えた。スタートで出遅れて後方からのレースに。直線も殆ど追っておらず、最後はジワジワと差を詰めた程度。見た目以上に気性の問題が大きいのかも。
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3番人気:ショウナンラプンタ(4着)
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戦前情報・評価・コメント
- 阪神での新馬戦は少頭数のスロー。スタート及び道中の口向きの悪さと課題が多い中、時計は平凡だったが能力で勝利。トビが大きいので、レースでは器用な立ち回りより、スムーズな立ち回りを心掛けた。外を回す形になったが、2着争いをしり目に抜け出す強い内容で勝ち上がり。大物感がある。
- 中間の調教では上手に走れるかどうかにフォーカスを当てて調整。ハミも少し変えて効果を感じる。1週前追い切りでは、1ハロンごとにラップを1秒詰める綺麗な時計。ラスト1ハロンは11秒7を計時。スムーズに加速して豪快に伸びてきた。
- 大跳びで阪神内回りより広い東京向き。520kgの大型馬で、相変わらず馬っぷりが良く、大きな上積みが見られる。初戦も良かったが、更に迫力が増している。東京への輸送も全く問題ない。
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戦後情報・評価・コメント
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稽古ではゲートもいい発進だったが、レースは出遅れて最後方から。道中の反応ももう一つで、かなり離されていた。結果、4コーナーからスパートする形になったが、最後は内めからしっかり伸びてきて、長くいい脚を使った。器用さに欠ける感じも、馬体はまだ良くなりそう。
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能力は相当なものがあるが、距離(1800m)が短いのかもしれない。直線もモタれる部分があって、良化の余地を残しており、能力は見劣らない。
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2022年 東京スポーツ杯2歳ステークス 振り返り
戦前のレース論点
- デビュー戦を8馬身差の圧勝劇で勝ち上がってきたハーツコンチェルト、同じくデビュー戦を5馬身差の圧勝劇で勝ち上がってきたフェイト、未勝利勝ちながら良質な血統背景を持つダノンザタイガーの3つ巴の様相。
1-3着馬の戦前・戦後のコメント
1着馬:ガストリック(5番人気)
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戦前情報・評価・コメント
- デビュー前の調教ではウッドチップでフラフラした足どりで手前も替えづらいところがあり、正直、一度使ってからという印象だった。返し馬では物見がひどく、スタートでは出遅れて進んで行かなかったりと子供っぽさもあったが、レースでは4角から追い出されると、最後方から一気のゴボウ抜きで、ビックリするほどの伸び。
- 1週前追い切りでは、初戦より調教の強度を上げ、直線は豪快な伸びで4馬身先着。使われた上積み十分で状態は良好。楽に追走できれば。
- 東京1800mをデビュー勝ち。末脚比べなら互角以上のものがある。この舞台で勝ち上がったのも強み。続けて使う分の上昇度も見込める。新馬戦と同じような脚が使えるかが鍵。実戦を経験した今回は初戦のような追走の感じにはならないと思う。
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戦後情報・評価・コメント
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まだ緩さや頼りなさを残しているが、馬体が絞れて、デキは上昇。初戦同様にスタートは遅かったが、内をロスなくさばいた鞍上の好騎乗もあり、1000m通過58秒9の速い流れでも、道中は脚が溜まっていた。直線はしっかりと脚を伸ばして、ダノンザタイガーの追い上げをクビ差しのぎ切った。
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また緩くて頼りないがいい背中をしているし、スピードに乗った時の沈み方など、こういう馬はなかなかいないと感じる。
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2着馬:ダノンザタイガー(2番人気)
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戦前情報・評価・コメント
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東京の新馬戦こそ2着に敗れたが、間隔を空けた新潟(左回り)未勝利で勝ち上がり。初戦よりもスタート、行きっぷりに進境を見せ、着実な成長を印象付けた。瞬時に反応しない面があるが、終いは確実にいい脚を使う。
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1週前の追い切りは、ゴール前で抜け出してフワっとしたけど、軽く促した程度でラスト1ハロン11秒4で年長馬相手に先着。大きく迫力に満ちたフォームで仕上がりに文句なし。
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筋肉にメリハリが出て、気持ちの面でも牡馬らしいプライドが出てきた。折り合いに課題は無く、むしろもう少しガツンと来て欲しいくらい。利口だし、点数が高い。
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戦後情報・評価・コメント
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出たなりのポジションで道中はじっくり脚を溜める。揉まれないポジションで流れに乗り、直線は内にモタれながらも外へ回り込み、長く脚を使って勝ち馬を追い込んだが、コース取りの差で2着。
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12kgの馬体重増は成長分で、2戦目と比べてはるかに良い内容。
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3着馬:ハーツコンチェルト(1番人気)
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戦前情報・評価・コメント
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中京でのデビュー戦で圧巻のパフォーマンスを披露。前半はじっくりと乗られて、ペースが落ち着いた向こう正面で進出。直線早め先頭から2着に8馬身差の完勝。出足良し、操作性良し、しまい楽の内容で、1完歩の推進力が素晴らしい。
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胸前の筋肉が目に付き、2週連続で6ハロン82秒台の熱心な攻め。ラスト1ハロンの伸びも豪快で仕上がりに文句なし。1週前追い切りも時計以上にスピード感があった。臨戦態勢に不足なし。
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やれば稽古は動く馬。坂路でも好時計が出ており、1度レースに使ったことで、キャンターも力強くなっている。一番上の全姉ナスノシンフォニーは使ってから前向きさが出てきたけど、煩い面もなく、課題が無い。
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戦後情報・評価・コメント
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重厚感のある好馬体。出遅れて最後方から。トビが大きい分、追走は楽ではなかったが、3角でジワっと動き、直線勝負。直線でのエンジンのかかりも遅かったが、大外からメンバー最速の上りで3着と能力の片鱗を見せた。もう少し距離があった方がベターかも。
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人気裏切り馬の戦前・戦後コメント
3番人気:フェイト(5着)
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戦前情報・評価・コメント
- まだ良化の余地を残す作りだったが、能力が違った印象。新馬戦ではスタートを決めて、道中5番手を追走。直線では少しバランスを崩す場面もあったが、残り300m付近で先頭へ。軽く促しただけで一気に後続を突き放すと、最後は5馬身差で余裕たっぷりにゴール。ストライドの大きな走りで手先も柔らかく、大物感あふれる素質馬。
- 1週前追い切りでは休み明けを感じさせる今一つの動き。全体のバランスでは成長途上で、現状は素質で走っているだけ。前進気勢が強くなっているので、折り合いも鍵。
- 手先の軽さが印象的。栗東から新潟への輸送も克服。初の東京コースでも。
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戦後情報・評価・コメント
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ポジションは良かったし、馬群の切れ目で揉まれずスムーズに運べた。直線で追い出しを待った割には弾けなかった。久々で多少重かったか。
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馬体上々。前を深追いせず、先行群からポツンと離れた6番手を追走。いいポジションで脚を溜めてスムーズに外に出したが、瞬発力勝負で見劣った。脚が無いわけではないが、使えていない感じ。
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