産駒はPOG向きではない?!ウアジェト
競走馬としてのウアジェト
ウアジェトの競走馬としての生涯戦績は21戦2勝。2勝しか結果を残せておらず、競走馬としては大成できませんでした。
繁殖牝馬ウアジェトの血統背景
繁殖牝馬ウアジェトの父馬シンボリクリスエスの競走馬としての戦績は15戦8勝。主な勝鞍には2002年及び2003年 天皇賞秋【GⅠ】、2002年及び2003年 有馬記念【GⅠ】があります。種牡馬としてのシンボリクリスエスを見てみると、代表産駒にはエピファネイア、アルフレード、ルヴァンスレーヴ、サクセスブロッケン等がいます。種牡馬シンボリクリスエスは、芝GⅠの勝ち馬を輩出してはいますが、産駒達はダートの中距離戦で活躍する傾向にあり、かつ活躍時期のピーク(勝率が最も高まる時期)は4歳ですので、POG向きの種牡馬ではないようです。また、BMSとしては2022年BMSランキング5位に位置しており、BMSシンボリクリスエスの代表産駒には、中山グランドジャンプ6連覇のオジュウチョウサン、現GⅠ3勝のソングラインがいます。
一方、ウアジェトの母馬リーチトゥピースの生涯戦績は3戦1勝。競走馬として特筆すべきことはありません。父馬のMud Routeは生涯戦績14戦6勝。主な勝ち鞍には1998年カリフォルニアンS(GⅡ)があります。母系には特筆すべき活躍馬が見当たらず、この牝系には活躍を予感させる要素はあまり見い出せません。
ウアジェト産駒の成績及び傾向
繁殖牝馬ウアジェトは現時点までに6頭の仔を出産していますが、既にPOG期間を終了しているエニシノウタまでの4頭を対象に考察を進めていきます。なお、ウアジェト産駒の出世頭は2021年 エリザベス女王杯 【GⅠ】勝ち馬のウアジェトです。
ウアジェト産駒のデビュー時期について
考察対象のウアジェト産駒4頭は全て2歳の内にデビューできています。ウアジェト産駒は体質が弱く、デビューが大きく遅れる可能性は低いと考えてよさそうです。しかし、アカイイトを例に産駒の成長スピードを考えてみたとき、アカイイトが2021年エリザベス女王杯を制したのは、実に20戦目で、4歳になってからなので、ウアジェト産駒は成長が遅い傾向にある可能性が高いと考えられます。また、誕生日も4月生まれの産駒が多いので、そのことも活躍が遅くなりがちな要因の1つと考えられます。
ウアジェト産駒の競走馬デビュー時の馬体重について
考察対象のウアジェト産駒4頭のうち、最軽量でデビューしたのは4番仔のエニシノウタで、デビュー戦時の馬体重は430kgでした。一方、最重量でデビューしたのは出世頭のアカイイトで、デビュー戦時の馬体重は494kgでした。4頭の間で体重の多い少ないによるPOG期間内の戦績に差はないのですが、同じ配合のアカイイトとエニシノウタで実績に大きな開きが生じたのは、馬体重の差も要因の1つなのでしょう。ちなみにウアジェト自身のデビュー戦時の馬体重は470kgでした。
ウアジェト産駒の性差による戦績の差について
考察対象のウアジェト産駒4頭の内、牡馬はイチバンヤリの1頭だけです。POG期間内の戦績では、4頭の間に大きな差がないので、ウアジェト産駒の性差による戦績の差はないと考えて良いと思いますが、アカイイトが牝馬ですから、牝馬の方が活躍する可能性が高いのかもしれません。
父系の違いによる戦績の差(配合相性)について
出世頭のアカイイトはキズナ産駒なので、ウアジェトとキズナは配合相性が良いものと思われます。しかし、同じキズナ産駒のエニシノウタが、まだ大きな成果を出せていないので、ウアジェトのキズナとの配合相性に関する評価は分かれるところでしょう。
繁殖牝馬 ウアジェト レーダーチャート
POGでウアジェト産駒を選ぶ時のポイント
- ウアジェト産駒が競走馬として本格化するのは古馬になってからの可能性が高いので、ウアジェト産駒はPOG向きではないと考えられる。
- 同じ配合のアカイイトとエニシノウタの戦績に大きな開きがあるのは、馬格によるものも要因の1つでしょう。
- ウアジェトとキズナの配合相性が良いという判断は意見が分かれるところ。
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