2024-2025シーズン
ドゥラメンテ産駒2歳初仔
『初仔は走らない』と競馬界では、まことしやかに囁かれていますが、実際に初仔が活躍した事例がない訳ではありません。初仔は判断材料に乏しいので、POGドラフトでは敬遠されることも多いと思われますが、判断材料が少ない分、競合も発生しにくく、ドラフト下位でも優秀な手駒が獲得できるというメリットもあります。ドラフトメンバーに差をつけたいのならば、初仔も敬遠せずにしっかり検討した方が良いと思います。
まずは、父馬ドゥラメンテについて簡単に紹介します。ドゥラメンテはキングカメハメハ系種牡馬。生涯戦績は9戦5勝。母系にはサンデーサイレンスの血と女傑エアグルーヴの血が入っている”超“の付く良血馬で、主な勝ち鞍には2015年 皐月賞 【GⅠ】、同年 日本ダービー 【GⅠ】の牡馬クラシック2冠があります。また、種牡馬としてもGⅠ4勝のタイトルホルダー、牝馬クラシック2冠馬スターズオンアース、牝馬クラシック3冠馬のリバティアイランドなど、GⅠウイナー、重賞ウイナーを何頭も輩出している優秀な種牡馬です。2021年に逝去してしまったため、2018年-2022年の僅か5世代しか産駒を出していませんが、複数のスターホースを輩出していることからも、種牡馬としての能力が高かったことが窺い知れます。それではラストクロップとなる2024年2歳産駒初仔について、独断と偏見で選んだ3頭の紹介を進めていきます。
2024年ドゥラメンテ産駒2歳初仔一覧
エスポワール2022
母馬エスポワールはノーザンファームの生産馬で、生涯戦績は12戦4勝。2019年 ターコイズステークス 【GⅢ】2着、同年 中山牝馬ステークス 【GⅢ】3着の実績がありますが、重賞タイトルには手が届きませんでした。母馬の競走能力は超一流とまでは言えませんが、重賞戦線で活躍できるレベルの競走能力は持っていたと考えられます。
血統的背景を見てみると、本馬の4代母にバレークイーンの名前があります。バレークイーンを祖とする牝系からは1996年 日本ダービー 【GⅠ】馬フサイチコンコルド、2007年 皐月賞馬ヴィクトリーをはじめ、多くの重賞ウイナーが輩出されていますので、本馬は活気あふれる優秀な血統背景を持つサラブレッドと言えます。
繁殖能力という視点で見てみると、本馬の2代母スカーレットは、エスポワール以外にも2017年 青葉賞 【GⅡ】勝ち馬のアドミラブルを輩出している優秀な繁殖牝馬です。また、母馬エスポワールの半姉イサベルはフアナ、アールドヴィーヴルといった重賞入着馬を輩出している優秀な繁殖牝馬ですので、エスポワールも優秀な繁殖牝馬である可能性が高いと考えます。
最後に、配合相性を見てみます。2021年産(現3歳馬)までを対象に父馬ドゥラメンテ×母父オルフェーヴルの配合を調べてみると、対象馬はドゥラエレーデ1頭だけでした。サンプル数が少ないことを考慮せねばなりませんが、ドゥラエレーデは2022年 ホープフルステークス 【GⅠ】の勝ち馬ですので、配合相性は悪いとは言えません。血統的な優秀さと配合相性の良さから、本馬はPOGでの指名候補となり得る存在だと考えます。
ノーブルカリナン2022
母馬ノーブルカリナンは社台ファームの生産馬で、生涯戦績は20戦3勝。重賞での実績は乏しく、競走能力は一流と呼べるほどではなかったようです。
ノーブルカリナン2022の5代血統表を見てみると、本馬の4代母にNoble Pearlの名前があります。Noble Pearlは1998年 伊グランクリテリウム 【GⅠ 芝1600m】の勝ち馬です。また、Noble Pearl産駒の1頭(本馬の3代母)ノーブルステラは重賞を4勝しており、この牝系からは優秀な競走馬が輩出されています。
配合相性という視点からノーブルカリナン2022を見てみます。2021年産(現3歳馬)までを対象として、ノーブルカリナン2022と同じ父馬ドゥラメンテ×母父ディープインパクトの配合を調べてみたところ、該当馬は計24頭いました。該当馬24頭の中で最高戦績を上げているのは2019年産ロジマンボで、最高戦績は2023年12月に勝利を上げた3歳2勝クラスになります。BMSトップレベルの種牡馬ディープインパクトとの配合という点から見ると、物足りない実績と言えます。父馬ドゥラメンテ×母父ディープインパクトの配合相性は決して良いとは言えないと考えます。
ムーンファイヤー
(グラディーヴァ2022)
母馬グラディーヴァはノーザンファームの生産馬で、生涯戦績は9戦2勝。重賞での実績は2019年 紫苑ステークス 【GⅡ】10着のみでしたので、グラディーヴァ自身の競走能力は高いわけではなかったようです。
ムーンファイヤーの5代血統表を見てみると、4代母にエアグルーヴの名前があります。エアグルーヴは自身も1996年オークス 【GⅠ】、1997年天皇賞(秋)のGⅠ2勝の一流の競走馬であったことに加え、エアグルーヴを祖とする牝系からはGⅠウイナー、重賞ウイナーが数多く輩出されており、優秀な競走能力を仔に伝えている優秀な牝系を形成しています。
配合相性という視点でムーンファイヤーを見てみます。2021年産(現3歳馬)までを対象として、ムーンファイヤーと同じ父馬ドゥラメンテ×母父ハービンジャーの配合を調べてみたところ、該当馬は計14頭でした。該当馬14頭の内、最高戦績を上げているのは2023年江の島ステークス(3勝クラス)勝ち馬のドゥラドーレスと2023年大原ステークス(3勝クラス)勝ち馬のゴールドエクリプスの2頭です。該当馬14頭中2頭が3勝クラスで勝ち名乗りを上げていますので、配合相性は悪いわけではないのですが、配合相性が良いとまで言い切る程ではありません。POGで指名するには一抹の不安が残ります。
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