牡馬なら、まだいける?!
ダイワパッション
『 繁殖牝馬を制する者は、POGを制す!』という格言があるかないかは定かではありませんが、POGで勝ち組になるためには、ノーザンファーム生産・育成馬を選ぶことと同じくらい重要な要素として、繁殖牝馬の質があると思われます。そこで今回、繁殖牝馬ダイワパッションについて考察してみます。
競走馬としてのダイワパッション
繁殖牝馬ダイワパッションは父馬フォーティナイナー、母馬サンルージュ、母父シェイディハイツの配合によって生まれた競走馬でした。ダイワパッションの競走馬としての生涯戦績は17戦4勝。3戦目の未勝利戦を勝ち上がった後は、3連勝でGⅢの2005年フェアリーステークスを制し、続くGⅡ2006年フィリーズレビューも制して、4連勝で重賞を2連勝しました。重賞2連勝で臨んだ桜花賞でしたが、18頭中16着という結果で終わってしまいました。オークスには出走せず、桜花賞以降、勝ち星を上げることはありませんでした。
繁殖牝馬ダイワパッションの血統背景
繁殖牝馬ダイワパッションの父馬フォーティナイナーはアメリカ産のサラブレッドで、Mr.Prospector系の種牡馬。生涯戦績は19戦11勝。主な勝ち鞍には1988年 米 トラヴァースS 【 GⅠダ 10.0F 】、同年ハスケル招待S 【 GⅠ ダ9.0F 】、1989年 米シャンペインS 【 GⅠ ダ8.0F 】、同年 米フュチュリティS 【 GⅠ ダ 7.0F 】で、GⅠ4勝の実績を残しました。種牡馬としては、エンドスウィープ、トワイニング、コロナドズクエストなどの重賞ウイナーを輩出しています。産駒は仕上がりが早く、ダート戦や芝のスプリント戦に強い傾向があります。特に産駒の勝ち鞍のダート比率は8割を超えています。
一方、ダイワパッションの母馬サンルージュは、未出走ですので距離適性のほどはわかりません。繁殖牝馬としては重賞2勝の実績を残したダイワパッションを輩出しましたが、それ以外の産駒は特筆すべき実績を残していません。
ダイワパッション産駒の
POG期間内戦績及び傾向
ダイワパッション産駒の特徴及び傾向を把握すべく、既にPOG期間を終了している9番仔ジャスティンレオンまでを対象として考察を進めていきます。なお、ダイワパッション産駒の出世頭は2018年 皐月賞 【GⅠ】勝ち馬のエポカドーロです。また、エポカドーロに続く実績馬として、2021年 テレビ東京杯 青葉賞【GⅡ】2着のキングストンボーイがいます。
ダイワパッション産駒の
競走馬デビューの時期について
考察対象のダイワパッション産駒9頭の内、2歳時に競走馬デビューできなかったのは、6番仔ロンギングエレン1頭です。それ以外の8頭は2歳時に競走馬デビューできていますので、ダイワパッション産駒は2歳時に競走馬デビューできる傾向にあると考えます。なお、ダイワパッション自身も2歳時に競走馬デビューを果たしています。ちなみに、考察対象のダイワパッション産駒9頭の内、3頭がデビュー戦を勝利で飾っています。
ダイワパッション産駒の
競走馬デビュー時の馬体重について
考察対象のダイワパッション産駒9頭の内、最軽量で競走馬デビューしたのは7番仔カンドリーで、デビュー戦時の馬体重は442kgでした。一方、最重量で競走馬デビューしたのは9番仔ジャスティンレオンで、デビュー戦時の馬体重は528kgでした。出世頭のエポカドーロのデビュー戦時の馬体重は484kgでした。ちなみに、ダイワパッション自身のデビュー戦時の馬体重は468kgでした。
ダイワパッション産駒の
性差によるPOG期間内の戦績の差について
考察対象のダイワパッション産駒9頭の内訳を見てみると、牡馬が7頭、牝馬が2頭です。出世頭のエポカドーロが牡馬ですし、それに続く戦績(2021年 青葉賞GⅡ2着)を残しているキングストンボーイも牡馬ですので、ダイワパッション産駒をPOGで指名するならば、牡馬産駒の方が良績を期待できそうです。
父系の違いによるPOG期間内の
戦績の差(配合相性)について
繁殖牝馬ダイワパッションには、これまでダイワメジャー、オルフェーヴル、ロードカナロア、キズナ、ドゥラメンテ、ハーツクライが配されてきました。出世頭のエポカドーロはオルフェーヴル産駒ですので、ダイワパッションとオルフェーヴルの配合相性は悪くはないのでしょう。エポカドーロの父馬オルフェーヴルはサンデーサイレンス系種牡馬、エポカドーロに続く実績を残しているキングストンボーイの父馬ドゥラメンテはキングカメハメハ系種牡馬。異なる血統の種牡馬で、重賞ウイナー、重賞2着馬を輩出していますので、ダイワパッションは父馬を選ばず、大物を輩出できる可能性のある繁殖牝馬であると考えます。
ただし、ダイワパッションも2022年産のダノンスマッシュ産駒の出産時には20歳。既に11頭の仔を生んでおり、繁殖牝馬としての最盛期は過ぎた感があります。通常ならば、ダイワパッション産駒を選ぶのは躊躇することと思いますが、名繁殖牝馬は年齢問わず、活躍馬を輩出することがあります。既にG1馬を輩出しているダイワパッションではありますが、まだ、大物を輩出する可能性はゼロではないと考えます。
繁殖牝馬 ダイワパッション
レーダーチャート
POGでダイワパッション産駒を
選ぶ時のポイント
- 産駒は体質が弱かったり、成長が遅くて2歳時にデビューできない傾向にはない。
- 牡馬産駒の方が良績を期待できそうです。
- 高齢繁殖牝馬ではありますが、今一度、大物輩出を期待したい。
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