産駒は小柄な傾向!テンダリーヴォイス
競走馬としてのテンダリーヴォイス
繁殖牝馬テンダリーヴォイスは父馬ディープインパクト、母馬ミスアンコール、母父キングカメハメハの配合で生まれたサラブレッドです。競走馬としての生涯戦績は14戦2勝。主な勝ち鞍は2015年アネモネS(OP)があります。また重賞での実績としては2015年フェアリーS 【GⅢ】 3着入線があります。
繁殖牝馬テンダリーヴォイスの血統背景
テンダリーヴォイスの父馬ディープインパクトはサンデーサイレンス系種牡馬で、国内リーディングサイアーランキングに長年トップに君臨している名種牡馬です。ディープインパクト産駒は2歳の早い時期から活躍する早熟性と1600 ~ 2400mでの距離適性を持ち、産駒は高い競走能力も備えていることから、クラシック戦線で活躍する競走馬を何頭も輩出しています。
テンダリーヴォイスの母馬ミスアンコールは生涯戦績9戦1勝の競走馬でした。1勝しかしていませんので、競走馬としては大成できませんでしたが、繁殖牝馬としては、2018年日本ダービー 【GⅠ】勝ち馬のワグネリアンを輩出しています。また、テンダリーヴォイスの祖母ブロードアピールは重賞6勝の実績を持つ一流の競走馬で、そのブロードアピールから広がる牝系からは日本ダービー馬ワグネリアンが輩出されている訳ですが、ブロードアピール→ミスアンコールへと繋がる系譜以外には、特筆すべき実績を上げた競走馬が出ていません。近親ということを理由にドラフト候補に選ぶ場合は要注意です。
テンダリーヴォイス産駒のPOG期間内戦績及び傾向
テンダリーヴォイス産駒の傾向及び特徴を把握するため、POG期間を終了している3番仔サンポーニャまでを対象として考察を進めます。ちなみに、テンダリーヴォイス産駒の出世頭は2022年小倉記念 【GⅢ】勝ち馬のマリアエレーナです。
テンダリーヴォイス産駒のデビュー時期と馬体重について
考察対象のテンダリーヴォイス3頭の内、2歳時に競走馬デビューできなかったのは2番仔チェラーダで、デビュー時期は3歳の2月でした。また、残りの2頭も2歳10月と早期デビューはしていません。早い時期にデビューしていないのはテンダリーヴォイス産駒の馬体が総じて小さいということが理由の1つと考えられます。育成関係者の方々の立場に立ってみれば、馬体が小さければ、競馬に行って、馬格の小ささで不利を受ける可能性が高まりますし、短期間での使い詰めも難しくなります。より良い戦績を期待して、成長を促すべくデビューを遅らせるという判断に至ったのだとが推察されます。もし中型~大型サイズの仔が生まれてきた場合には、期待をもって育成情報に注目したいと考えます。
テンダリーヴォイス産駒の競走馬デビュー時の馬体重について
考察対象のテンダリーヴォイス産駒3頭の内、最軽量で競走馬デビューしたのは2番仔チェリーダで、デビュー戦時の馬体重は402kgでした。一方、最重量で競走馬デビューしたのは3番仔サンポーニャで、デビュー戦時の馬体重は436kgでした。出世頭のマリアエレーナのデビュー戦時の馬体重が406kgでしたので、マリアエレーナ産駒は馬格が小さくとも重賞戦線で活躍を期待できます。ただし、マリアエレーナが本格的に勝ち星を積み重ねていったのは、POG期間が過ぎてからですし、重賞ウイナーに輝いた2022年 小倉記念 【GⅢ】出走時の馬体重は424kgで、デビュー戦から20kg程度大きくなっていました。馬格的に450kg程度のデビュー戦時馬体重が見込まれる場合にはドラフト候補として検討してよいと考えます。ちなみに、テンダリーヴォイス自身のデビュー戦時の馬体重は416kgでした。
テンダリーヴォイス産駒の性差によるPOG期間内の戦績の差について
考察対象のテンダリーヴォイス産駒3頭の性別の内訳を見てみると、3頭とも牝馬産駒ですので、性差による戦績差については不明です。
父系の違いによるPOG期間内の戦績の差(配合相性)について
繁殖牝馬テンダリーヴォイスには、これまで種牡馬クロフネとモーリスが配されています。出世頭のマリアエレーナがクロフネ産駒ですので、テンダリーヴォイスとクロフネの配合相性は悪くはないのでしょう。ただし、マリアエレーナの全妹チュラーダは3戦して1勝も上げられないまま競走馬登録抹消となっています。従って、テンダリーヴォイス×クロフネの配合には大きな振り幅があることをお忘れなく。
テンダリーヴォイス産駒の主なPOG期間内戦績一覧
考察対象のテンダリーヴォイス産駒3頭の内、POG期間内に勝ち名乗りをあげたのは出世頭のマリアエレーナ1頭だけです。マリアエレーナのPOG期間内の戦績を見てみると、芝マイルで実績を残していますが、重賞レースでは小倉競馬場 芝 2000mの小倉記念 【GⅢ】勝ちや中京競馬場 芝 2000m 愛知杯 【GⅢ】で上位入線など、小回りコースの芝中距離を主戦場として活躍しています。配合次第ではマイル以上の距離がこなせる産駒が出てきても不思議ではありません。
繁殖牝馬 テンダリーヴォイス レーダーチャート
繁殖牝馬テンダリーヴォイスまとめ
- この母系で実績を残しているのは、現時点ではブロードアピール→ミスアンコールの系譜だけです。
- 産駒は小柄に出る傾向にあります。小柄な馬体に出たことで、活躍時期が遅くなってしまう可能性が高まります。
- 中型~大型の馬体に出たときや牡馬産駒の場合には注目。
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