『 繁殖牝馬を制する者は、POGを制す!』という格言があるかないかは定かではありませんが、POGで勝ち組になるためには、ノーザンファーム生産・育成馬を選ぶことと同じくらい重要な要素として、繁殖牝馬の質があると思われます。そこで今回、繁殖牝馬ルパンⅡについて考察してみます。
繫殖牝馬ルパンⅡは父馬Medaglia d'Oro、母馬Promising Lead、母父デインヒルの配合によって生まれた競走馬でした。ルパンⅡの競走馬としての生涯戦績は2戦0勝。競走馬としては勝ち名乗りを上げることなく繁殖入りしました。ルパンⅡには繁殖牝馬としての特筆すべき実績は、まだありませんが、初仔のルピナスリード、2番仔ファントムシーフはともに素質を感じさせる戦績を残しており、これからの活躍が期待できます。
ルパンⅡの血統背景を見てみると、Northern Dancer 4 x 4、Natalma 5 x 5 x 5のクロスがあります。Northern Dancer系種牡馬メダグリアドーロの産駒はスプリント適性に加えて、仕上がりが早いという傾向があるようです。
一方、母馬Promising Leadの父馬デインヒルもNorthern Dancer系種牡馬ですが、デインヒルはスタミナ、馬力を伝える特徴を持った種牡馬です。メダグリアドーロ、デインヒルはともにNorthern Dancer系種牡馬でありながら、異なる特性を伝える種牡馬です。異なる特性が上手く噛み合えば、その産駒は優秀な競走馬となるはずですが、噛み合わなければ、凡庸な競走馬で終わってしまうでしょう。ルパンⅡの競走馬としての戦績を見る限り、ルパンⅡは嚙み合わなかった方の競走馬だったのかもしれません。
しかしながら、繁殖牝馬としてのルパンⅡはそうではないかもしれません。下記表は2022年8月9日時点でのルパンⅡの産駒一覧です。
ルパンⅡ産駒一覧:2022年8月9日時点
まだ産駒は特筆すべき戦績を見せてはいませんが、ルピナスリードは現時点で6戦2勝の戦績。3勝目も視野に入る戦績を残しており、今後の成長次第では更なる飛躍も期待できます。また、デインヒル3×3の強いクロスを持つ2番仔ファントムシーフは強い内容でデビュー戦を快勝しており、今後が楽しみな存在です。
生産者の配合意図を推察してみます。ルピナスリードはサンデーサイレンス系種牡馬ダイワメジャー、ファントムシーフはダンチヒ系種牡馬ハービンジャー、2021年産はキングカメハメハ系種牡馬ルーラーシップと、異なる系統の種牡馬を配しており、どの種牡馬との配合相性が良いのか、探っている段階のように見えます。
更なる可能性として、もし、ルピナスリード、ファントムシーフがともに、今後、勝ち星を伸ばすようであれば、ルパンⅡは種牡馬を選ばず優秀な競走馬を輩出できる名繁殖牝馬になり得るかもしれません。2頭の活躍次第では、21年産は来年のPOGドラフトの有力候補となるかもしれませんので、今後も注目していきたいと思います。
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