まだまだいける?!ステラリード
競走馬としてのステラリード
繁殖牝馬ステラリードの生涯戦績は31戦2勝。2勝しかしていませんが、デビュー2連勝で2009年函館2歳ステークス 【GⅢ】 を制しました。しかし、ステラリードは気性面で問題を抱えていたようで、それ以降、勝利を上げることはありませんでした。
ステラリードの血統背景
ステラリードの父馬スペシャルウィークはサンデーサイレンス系種牡馬。スペシャルウィークは1998年日本ダービー【GⅠ】をはじめ芝の中長距離のGⅠを4勝した超一流の競走馬でした。かつて、サンデーサイレンス×母父マルゼンスキーの配合はニックスとして知られていました。スペシャルウィークは種牡馬としても、2005年 アメリカンオークス【GⅠ】をはじめ、2005年 オークス 【GⅠ】1着、同年 桜花賞 【GⅠ】2着の実績を残したシーザリオ、2014年 菊花賞馬トーホウジャッカル、GⅠ6勝のブエナビスタなど、大物産駒を輩出し、一流の種牡馬としての実績も残しています。
一方、母馬ウェルシュステラは競走馬としては3勝しかしていません。勝利を上げた距離は1700-1800mでした。ウェルシュステラの血統背景を見てみると、父馬Zafonicは独仏のマイル前後の距離で実績を残した競走馬。母馬カタリストは1勝しかしていませんが、半弟には仏グランクリテリヨム 【G1】をはじめ重賞3勝したSecond Empireがいる良質な血統です。
父馬スペシャルウィークは中長距離血統、母馬ウェルシュステラはマイル前後、そしてステラリード自身はスプリント路線で実績を残しました。
ステラリード産駒について
ステラリード産駒の特徴及び傾向を把握すべく、既にPOG期間を終了している7番仔テラステラまでを対象に考察を進めていきます。ステラリード産駒の出世頭は2021年 京王杯2歳ステークス 【GⅡ】勝ち馬のキングエルメスです。
ステラリード産駒のデビュー時期について
考察対象のステラリード産駒7頭の内、2歳時にデビューできなかったのは、3番仔プシュケ、4番仔パラスアテナの2頭です。その2頭以外は2歳時にデビューしていますので、ステラリード産駒は2歳デビューできる傾向にあると考えて良いのではないでしょうか。この傾向は、ステラリード自身が函館2歳ステークスを制し、早い時期から活躍できていたことに由来するのかもしれません。POGでステラリード産駒を指名する際には安心材料と言えるでしょう。
ステラリード産駒の競走馬デビュー時の馬体重について
考察対象のステラリード産駒7頭の内、最軽量でデビューしたのは初仔ステラパレットで、デビュー戦時の馬体重は412kgでした。一方、最重量でデビューしたのは出世頭のキングエルメスと7番仔テラステラで、デビュー戦時の馬体重は480kgでした。POG期間内に2勝を上げた4番仔パラスアテナ、5番仔カイザーノヴァ、6番仔キングエルメスのデビュー戦時の馬体重を見てみると、3頭は450kg以上でしたので、ステラリード産駒をPOG指名するならば、450kg以上のデビュー戦時馬体重が見込める場合の方が良いと考えます。ちなみに、母馬ステラリード自身のデビュー戦時の馬体重は436kgで、やや小柄な部類のサラブレッドでした。
ステラリード産駒の性差による戦績の差について
考察対象のステラリード産駒7頭の内、牝馬が4頭、牡馬が3頭です。POG期間内の戦績を見てみると、2勝以上した産駒数は牡馬が3頭中2頭。牝馬は4頭中1頭です。一見、牡馬の方が良績を残しているように見えますが、牡馬産駒と牝馬産駒には種牡馬レベルの違いも見られます。牝馬産駒であっても、ルーラーシップ産駒のパラスアテナがPOG期間内2勝以上を上げていることから、牝馬でも種牡馬レベルが上がれば、牡馬産駒と同等の戦績が期待できるものと考えて、ステラリード産駒には性差による戦績の偏りはないと考えます。
父系の違いによる戦績の差(配合相性)について
繁殖牝馬ステラリードにはこれまで、シンボリクリスエス、ワークフォース、ノヴェリスト、ルーラーシップ、モーリス、ロードカナロアが配されてきました。出世頭のキングエルメスがキングカメハメハ系種牡馬ロードカナロアとの配合でしたので、ロードカナロアとステラリードの配合相性は悪くはないでしょう。ロードカナロアと同じキングカメハメハ系種牡馬ルーラーシップとの配合で生まれたパラスアテナもPOG期間内に2勝していますので、ステラリードはキングカメハメハ系種牡馬との配合相性が良いのかもしれません。
その他、ステラリードに関すること
もう一つ触れておくべきことがあります。それはステラリードの繫殖牝馬としての最盛期についてです。本サイトの企画意図に沿って、POG期間内に2勝以上した産駒の輩出を繁殖牝馬の合格点として定義すると、パラスアテナ、カイザーノヴァ、キングエルメスが合格点をクリアした産駒となります。キングエルメスに至っては2021年京王杯2歳S 【GⅡ】を勝ちました。ステラリードは出産時年齢10,11,12歳と3年連続でPOG期間内に2勝以上を上げた馬を輩出しました。10-12歳にステラリードは繁殖牝馬としての最盛期を迎えていたのかもしれません。
ステラリードは繫殖牝馬としては高齢の域に差し掛かりつつありますが、優秀な繫殖牝馬は年齢を重ねても活躍馬を輩出するケースがあります。ステラリードも重賞ウイナーを輩出している優秀な繁殖牝馬ですので、今後も活躍を期待できる産駒を輩出するものと考えています。
繁殖牝馬 ステラリード レーダーチャート
POGでステラリード産駒を指名する時のポイント
- デビュー時期は遅くはならない可能性が高い。
- デビュー戦時の馬体重は450kg以上を望めることが望ましい。
- キングカメハメハ系種牡馬との配合が良さそう。
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